廃止へ風雲急を告げる地方議員年金

 民主党党本部から地方議員年金に関するアンケートが届いた。議員特権とも言われている地方議員の年金の破綻が予想されるなか、民主党所属の地方議員が何を望むかの内容だ。地方議員年金の廃止法案が来年の通常国会へ提出されることが予想されており、全国市議会議長会も意見をあげようとしている。



 民主党のアンケートは、全国市議会議長会が示した公費負担を増やして現行掛金と給付を維持する要望について、国民の理解を得ることが困難との総務省の考え方が示されたことから現行制度では存続が困難との立場から行われるもの。具体的には、下記の選択肢から選ぶというものだ。

(1)公費負担を5割超とし、掛金増、給付水準5%カットで存続すべき。(総務省検討会B案)
(2)公費負担を5割に抑え、掛金増、給付水準10%カットで存続すべき。(総務省検討会A案)
(3)2度の給付水準引き下げ(02年、06年)でも基金が枯渇する現状からすると、将来の見通しが立たないので廃止やむなし。(消極的廃止案)
(4)現在でも掛金が高額で負担になっている。互助年金としては廃止すべき。(積極的廃止案)
(5)その他

 議員年金は、在職12年で受給資格を得る。しかし、受給資格者は現役議員の3倍になることから積立金を毎年140億円前後取り崩してきたが2011年度に積立金がなくなり破綻することが予想されている。市町村合併で議員の数が大幅に少なくなったことやそもそもの制度設計に無理があったことが原因とされ、これまでに支給額の減額などが行われてきているが、来年の統一地方選挙で資格者がさらに増えることもあり、待ったなし状態でもあった。

 全国市議会議長会は、給付水準を下げず税金の割合を増やすことで存続させる案を示していたが、『片山善博総務相は「国民にとって(負担が)どうかという視点が最重要になる」として、今月初めに政務官を通じて独自案は受け入れられないとの見解を伝えた』。そして、地方議会年金制度について国は、廃止する方向としており関連法案を来年の通常国会に提出する考えと報道されており(どちらも日経9月23日)廃止が現実となってきた。今後は、廃止するさいにこれまで収めてきた掛け金をどの程度、戻すのかが焦点となりそうだ。

 はたんさせるにしても、現在の受給者や掛け金を払っている途中の議員への保障をどうするかの問題もある、総務省の試算では、廃止するしても税金1兆3400億円が必要であり、この額は税金を増額して投入し2078年度まで存続させた費用と同じだという。
 地方議員年金のはたんはこれまでにも指摘されてきたこと。先送りしてきたツケが出てきているともいえる。そもそも、職業にかかわらず一定の年金を誰でもが受け取れるような年金制度にすべきではないかとも思う。その場しのぎ。局所対応ではいつか、もっと大きな問題となることの典型的な例になりそうだ。

 民主党はアンケートを元に党の考えをまとめる予定。私は(4)を選択した。
 全国市議会議長会も11月上旬を目途に総務省へ伝えるために全国の意見を集約している。

 風雲急を告げる地方議員年金だ。