なぜ、議会、議員にリコールがあるか

asahi 名古屋市議会へのリコール(※)の運動期間が終わった。今後、議会が解散となるかもしれない。名古屋市議会がどうなるかは分からないが、このニュースを聞いていて、なぜ自治体議会、議員にリコールがあるのかを考えておくべきだと思った。意外と理解されていないと思うからだ。よく議会や議員は市民の代表といわれるが、では、なぜ代表なのか。制度設計を考えておくべきと思ったからだ。



 自治体議員は、自治体の規模にもよるが市議会レベルでいえば1000票から数千の得票を選挙で得れば当選となり議員なる。そのため、この票を入れた有権者の代表が議員であり、市民の代表だと思ってしまていないだろうか。

 ところが、成立へのハードルが高いとはいえリコールが設けられていることは、例えば1500票=1500人の有権者が投票して議員になったとしても、その1500人以外の人が議員としてはふさわしくない、辞めるべきだと考えれば失職、クビにされてしまう制度設計となっている。

 つまり、自分が得た、あるいは得れば当選できる1500票の有権者だけを見て活動していてはダメということになる。票を入れてくれる人、あるいは団体のために活動する議員、市民相談も投票したかどうかで判断する議員がいるという話しを聞くことがあるが、リコール制度があることは、そのような活動ではダメであり、投票した有権者以外からリコールされないように多くの有権者、市民のために活動をしなさいよ、というのがこの制度の考え方なのだ。

 リコールは国会議員にはない。そのため、国会議員は、当選してしまえば有権者から全権委任されたことになる。ところが自治体議員の場合は、このリコールがあるため、全権委任されたことにはならない。常に有権者に監視されていることになり、いつでもクビにされないように活動しなくてはならないことになる。リコールがあるから、投票してくれた有権者のためではなく、全有権者、市民のために活動しなさいよ。そのように活動するから議員は市民の代表、と私は思っている。

 このことはあえて書くこともなく、自らのことなので議員であれば誰でも知っていることだと思うのだが、リコールの記事を読むにつれ、あまり知られていないのかなと思ってしまった。だから今回のリコールは、名古屋市議会だけではなく多くの地方議会への投票にも思えてならないのだが、考えすぎだろうか。

 画像は、朝日新聞名古屋版の記事。取材があったので答えた内容の一部が掲載されていた。さぁ、どうなる名古屋市議会。そして、多くの自治体議会。

※リコール制度は解職請求とも呼ばれ地方自治法の76条~88条に規定されている。有権者の3分の1以上の署名を集めると住民投票が行われ、有効投票総数の過半数が賛成すれば、議会の解散や議員を失職させることができるようになっている。現実的なハードルは高いが、議員を有権者が失職、クビにできるように制度ができているのだ。

【参考】
JIJICOM リコール署名30万人超す=市議会解散、必要数突破の勢い-名古屋