答申案には3件の候補が示される  【福祉公社と市民社協の事務所移転問題】

 福祉公社と市民社協の事務所移転検証委員会が8月26日に開催され、移転が可能と考えられる複数の物件が示された答申案が示された。答申案には、検証委員会はどの物件が良いのかは明確にしていなかったが、最終的に候補となった8件のうち3件の物件に可能性があると思えた。最終的にどの物件に移転するかは両団体の理事会、評議員会が決めることになるが、委員からあった「緊急避難的に場所を移して目的にあった物件を探すべきではないか。八幡町で20年間を拘束されるべきではない」との意見は重要な意味を持っているのではないだろうか。

 検証委員会の答申案には、両団体の理事会、評議会、市民との懇談、市議会厚生委員会で示された疑問へ対して委員会が検証した結果が示されいた。例えば、両団体が持つ基金から三億円を建設協力金として前払いし家賃を安くする方式については、家賃を安くすることは評価すべき。だが、20年間という長期では経済状況や相手事業者の財務状況などのリスクはあると記していた。

 具体的な移転先の検証結果だが、最終的に候補となった物件に対して不可、あるいは困難、必要とする面積を満たせないなどとしてた物件は5件。残りの3件は次の物件。当初の八幡町案以外の選択肢があることになり八幡町への移転は白紙になったことになる。

・『要望する諸室を整えた計画が可能と考える』としてある当初案の八幡町案。

・『要望する諸室を全て整えた計画が可能と考える』『市役所へも徒歩数分であり、福祉部門とのワンストップ化が図られる』という北町5丁目の物件。

・『要望する諸室を満たすことは不可。事務所機能のみであれば可』という若干条件が厳しくなるが、『五日市街道に面しており、吉祥寺に駅に近いことから利便性が高い』『金融機関も近隣に所在する』という北町1丁目の賃貸物件。

 
 これまでのボランティアを担ってきていただいた市民の方々の意見を優先するとなると、当初案と北町5目案は難しい。では、北町1丁目案が良いかと考えるとは便利な場所だが面積が狭く賃貸のため両団体の所有とはならない“帯に短したすきに長し”状態というのが正直なところだろう。
 しかし、今回の移転で最も大きな論点となったのが武蔵野市の福祉ビジョンをどうするかだ。このビジョンによって事務所機能も両団体の規模も変わることになるかもしれない。となれば、市民の方からの意見にもあったように、一時的に転居してから福祉ビジョンを考える。その間に旧図書館跡地が利用できないかも考えてみることでもいいのだと思った。

 そして、委員から「このような議論ができるのは文化 他の自治体でできるか。この関係を進化させて新しい文化を築いて欲しい」との発言が印象的だった。紆余曲折している移転問題だが、市民と市、両団体の職員、検証委員会が議論を行い一方が強引に話を進めるのではなく、何が最善かを考え続けてきたことは全ての人が誇るべきことだと思う。特に異例とも言える傍聴者との議論を行った検証委員会の姿勢は評価すべきだ。今日の結論を出したことは武蔵野市の歴史の大きな1ページを記したようにも思えた。

 今後、細かな文面の修正が行われた答申が両法人に今月末に示され、9月15日までには両法人で意思決定。その後、今の事務所のオーナーである大東京信用組合へいつまで入居伝える予定だ。