西部所図書館は歴史資料館を想定  検討委から報告  

 8月18日の市議会総務委員会で西部図書館跡に歴史資料館(仮称)を想定しているとの行政報告があった。西部図書館は、武蔵野プレイスが完成することから来年、2011年3月に図書館としては閉館予定。想定では今年度から民俗資料の選定を行いプレイスが完成する23年度後半から資料の搬入などを行うとしている。言い方は悪いかもしれないが、公文書の物置にしていいのか疑問だ。



 行政報告は、庁内の部課長で構成された検討委員会が検討を行い報告書が出されたことから行われたもの。歴史資料館は、30年近くにわたって検討が続けられてきた武蔵野市の長年の課題だった。これまでの検討では、公文書や保存や展示のために新たな施設が必要であり約7億円の初期費用が必要とされていたことから実現できないでいた。今回、新設をせずに既存施設を活用するとの考えから西部図書館を想定したとしている。

 行政報告によると、歴史資料館は、武蔵野市の歴史を将来に継承するために歴史的価値のある公文書、行政刊行物、古文書、民俗資料、埋蔵文化財などを適切に保存し、整理し、活用できる資料にするために必要であり、市が所有する歴史資料は所管課でばらばらの保存されており活用されていないため担当の部署も必要だとしている。想定される歴史資料館は、集客を主目的にせず、保存を主たる機能として検討が必要としている。

 この行政報告を傍聴していくつかの疑問がでてきた。結論から言えば、西部図書館の跡に歴史資料館を開設すべきでないと思う。

 その理由のひとつに、歴史資料館そもそもが必要なのか、疑問があるからだ。古文書はすでに中央図書館地下で保存が行われている。民俗資料を考えれば、周辺地域と比較して武蔵野市独自の資料がどれだけあるのかと考えれば、多量に保存する必要はないはずだ。現在は旧桜堤小学校に置かれてあり(保存といえる状態ではないと思う)、旧桜堤小学校の活用方法も決まっていないのだから、保存が主目的というのなら西部図書館にわざわざ移す必要はないはずだ。
 しかも、公文書の多くは、現在、旧桜堤小学校にダンボールに入れられて山積みになっている。歴史資料館は集客を考えていない施設としているのだから、資料整理ならここで十分ではないだろうか。そもそも、公文書の保存は、ある程度は書物として保存する必要はあるとしても電子データにすれば場所は必要ないはずだ。

 西部図書館は周囲に大型の集合住宅があり、西部地区は子どもの数が増え保育所など子ども施設が必要と考えられる地域にある。ここに集客を目的としない古い資料、公文書を保存する施設をあえて作らなくてはならない合理的な理由がどこにあるのだろうか。

 何よりも、これまでに西部図書館を残して欲しいとの要望や西武図書館に隣接する自治会からも集会機能や居場所として必要との要望が市民から出されている。その声を考えずに、周辺住民と協議もせずに市が作成した報告書や文書の保存のため、市が西部図書館をいわば倉庫と作業所代わり使うと決めていいはずがない。

 西部図書館を歴史資料館にとの想定は、あくまでも検討委員会からの報告でケーススタデイ。今後、庁内で行われている公共施設の再配置の検討委員会に報告され、第五期基本構想・長期計画で検討してもらう、と行政報告では説明されていた。当然の流れだとは思う。
 しかし、今年度から資料の整理をはじめることを想定したスケジュール案を見るとすでに規定路線にしてしまっていないか、と危惧してしまう内容だった。西部図書館は武蔵野プレイスに移転することになるので、施設は来年、平成23年3月には閉館になる。スケジュール案では、2010年度から資料の選定、搬入を行い平成23年3月以降に施設整備。平成24年度には一部民俗資料の公開。平成25年度に整理済みの公文書を公開するとしている。第五期基本構想・長期計画の策定は、今年から平成23年度にかけて行われるのであって、議決されるのは平成23年12月の予定だ。この基本構想・長期計画ができる前からのスケジュールが記されているのだから規定路線で考えられていると思えてしまう。

 NPOに任せて小規模な図書館にする。あるいは児童対象の図書館と子ども施設。待機児対策としての保育施設。地域の集会所。高齢者施設など活用方法はもっとあるはずだ。

【資料】
歴史資料館(仮称)調査検討委員会報告書(概要版)