海外でこの制度があれば暴動が起きる…  地方議員の年金 

地方議員年金を廃止する市民と議員の会」が主催する勉強会に参加してきた。地方議員年金は、現状のままでは平成23年度に年金支給ができなり年金制度自体が破綻されることが予想されており、全国市議会議長会では、年金制度の早急な見直しを求めている。この日の議論では、そもそも年金は議員特権。早急に廃止すべき、との結論だった。



 議員の年金は国会議員についてはすでに廃止されているが、地方議員には残されている。しかし、平成の大合併で掛け金を払う議員が半減することもあり制度の破綻が目の前だ。現状のままで年金を支給するとなると大幅な掛け金の増額か現状でもおこなれている税金からの支出を増やさなくてはならない瀬戸際が現状だ。

 この勉強会の講師は、国際年金比較研究所理事長の渡部記安立正大学大学院教授。地方議員の年金を学問の立場から研究し『中央議会(国会)・地方議会議員年金制度ー国際比較からの考察』を発刊したばかりとあって出版記念をかねての講演だった。

 渡部教授は、国際比較をすると市区町村単位で議員年金があるのは日本だけ。500万人ぐらいの自治体単位であれば、議員は専業化しなくてはならないので考えてもいいのかもしれないが、カリフォルニア州やニューヨークでは廃止されている。廃止した理由は、住民の監視が厳しく、議員の報酬を少なくするだけでは済まなくなっているからだ。海外の学者に聞けば、このような制度があれば暴動が起きるといわれた、との話しもあった。

 また、日本の地方議員の年金制度が破綻について合併により議員が少なくなることによる財源不足が主な原因とされているが、合併影響分が約1883億円であり合併以外の影響分は約1517億円。合併がなくても財源不足だった。そもそも制度設計ができていない。議員年金は互助の仕組みだが、年金制度開始から10年で税金を投入しているなど互助は最初からできていない。この設計ミスは、政治的なミスでもある。共産党も含めての共同提案で作られたため実質審議がなかったからだ、と指摘されていた。

 年金の話しではないが、住民ひとりあたりの議員コストについての話もあった。データの引用先など詳しいことは分からなかったが海外と比較すると下記のようになるのだそうだ。

 日本 3810円
 米国 379円
 ドイツ 1250円
 英国 283円
 フランス 小額
 スエーデン 9割が無報酬
 スイス ほとんど無報酬
 
 この数字を見せられると、年金だけではなく、議員の報酬も考えなくてはならない、そして、報酬に見合った仕事をしているのかどうかも問われるのだと思う。

 この日の勉強会は、国際比較から議員年金を考えることが主な内容だった。会としては廃止を求めて活動をする予定。今年の秋には、地方議員の年金について国の方針も出される予定だ。年金の廃止を求める意見書を出している議会もある。地方議員の年金をどうすべきかは、議員の存在意義も問われることにもなりそうだ。

※地方議員(市)の年金制度

・受給資格   在職12年以上
・平均年金額  約103万円
・掛け金    月額報酬の16%+期末手当の7.5% 武蔵野市議会の場合月額8万8000円
・公費(税金)負担率  約40% (議員が約60%)