都型学童クラブ 実施要綱公表 武蔵野市でも考えるべき

 東京都福祉保健局のサイトで都型学童クラブの実施要綱が公表されている。都型学童クラブは、昨年度末に新聞で報道され都も発表したが、詳細について規定する要綱が固まっていなかった。この要綱が公表されたことで、現実的に実施することへ近づいたことになる。都型学童を武蔵野市でも考えるべきだと思う。


 都型学童クラブとは、都が独自に認めた基準を満たす学童クラブへ都が国の補助金に上乗せするというもの。19時以降の開所(19時でもかまわない)、70人以下の定員、児童一人当たり1.65平米以上の生活スペース面積が確保されていること、資格を持った専従の指導員がいること。そして、全土曜日を開所していることなどがその基準だ。

 40人定員の学童クラブの場合、国の現在の補助金単価は年間約350万円。この額を国、都、市町村が3分の1ずつ負担をする。公設公営の場合、実質的に得られる補助金は国と都からの補助金となるので約230万円だ。
 都型学童クラブの補助金単価は、36人~45人定員の学童クラブの場合、児童一人月額1万7200円(この額を都と市町村が2分の1ずつ負担)。都型学童クラブになれば、都からの補助金が年間で412万8000円増えることになる(民間ならこの倍)。

 国が規定した補助金よりも倍以上の額になるのが都型学童クラブだが、自治体が運営する学童クラブ(公設公営)は対象ではなく、民間の学童を対象としているのが特徴だ。いわば民間への誘導策ともいえる。しかし、内容をみると、保育園の認証保育所のように国の基準を緩和しているのではなく、学童クラブとしては当然の最低基準といえるものだ。

 学童だけではなく保育園でもよく公設公営が一番よいとの意見があるが、今回のこの都型学童クラブの制度設計を見ると、公設公営にしがみついていることが果たしていいのかと思う。武蔵野市の場合は、公設公営とはいえ、指導員は全て嘱託職員、非正規職員だからだ。子どものことを考えれば、不安定な身分ではなく、民間でも正規雇用として身分を安定することが優先されると思う。公設で正規となれば、公務員しか選択肢が現状の制度ではない。今から公務員にすることが社会から受け入れられるかと考えれば否だろう。

 武蔵野市は、市が出資している財団法人子ども協会に学童クラブの運営を委託し、子ども協会での正規雇用を検討するとしている。子ども協会は公か民間かで分ければ民間だが、市が運営のかなりの部分にかかわる団体だ。事業費についても市が支援することになり、委託したとしても市の持ち出しに代わりがないはずだ。そのことよりも都型学童となることで、今よりも倍増する補助金を得て指導員の正規化や土曜開所の財源にすべきだと思う。検討ではなく、実施へ向けての課題整理を早急にすべきだろう。

 土曜日について、学童クラブを利用している全ての家庭が土曜日の開所を必要とはしていないが、少数ながらも必要としている家庭はあり、切実な思いがある。学童クラブは児童福祉。少数に目を向けないでどうする、とも思う。都内で唯一、完全に開所していない問題を早急に解消すべきで優先されることだと思う。都型学童クラブの要綱が公表されたことを機会に学童クラブは誰のため、何を目指す事業なのかを再検証し、まずは土曜日の本当の開所へ進むべきだ。

 また、土曜日の学童クラブを必要としているのは、保護者が働いているような家庭だけだとは限らないとも思う。公設公営ではなくなることで、事業としてそのような家庭の子どもを受けれることも可能になるのだと思う。今まで同じ発想では、何も変わらないのだ。新たな時代の学童クラブも考えるべきだ。

【参考】
東京都福祉保健局 学童クラブについて