福祉公社・市民社協の移転検証委員会  現状での候補地は8箇所。問題は、両団体の未来

 福祉公社市民社協の社屋移転検証委員会7月15日にが開かれ、公共用地や民間用地で候補となる場所が示され現状での可能性が報告されていたが、この日の議論では、場所が決まるまでにはならなかったが、迅速性をどこまで考えるのか。いつまでに決めなくてはならないのかで候補地も変わってしまうとの大きな課題が浮き彫りになっていた。


 委員会には、移転について両団体へ職員アンケートの結果の報告があり、職員が考えている地理的条件のメリットやデメットが記されていた。ただ、委員長が指摘していたことでもあるが、内容を見ると感想が多く、だからどうなのかとの深堀がないものだった。
 例えば、今のままでは施設が目立たないとのデメリットがあるが、施設がなぜ目立たなくてはいけないのかの理由が明確ではないなどだ。両団体のあるべき姿、今の仕事を見直すには良いきっかけになると委員長は指摘していたが、今後も続けていくべきだろう。移転だけではなく、日常の業務でこのようなことを今までしていなかったのか、との疑問も持ってしまった。

■26箇所の候補地 課題は時間

 移転の候補地は、出された資料によると9箇所の公共用地、公共施設と17箇所の民有地が示されていた。候補地には、先の議会に出された陳情で示された具体的な場所も入っていたが、両団体からの説明によると、検証した結果、公共用地で可能性があるのはなし。注目されている旧図書館跡地は、他の施設との合築を検討することが必要になり第五期基本構想・長期計画で検討してからでないと議論ができないので不可というものだった。

 民有地についは17箇所の候補地を土地面積や用途地域だけではなく交通アクセスや金融機関との距離、駐車場の有無、事務所ビル建設の可否、周辺環境などの項目が示され、このうち、現在のところ先方から売却の意思がないなので不可となる物件を省くと8箇所については可能性が残っているとしていた。
 しかし、可能性のある物件について、まだ先方に打診をしていないこともあり候補地を絞り込むまでにはいたらなかった。具体的な候補地は次回以降になる。

 また、委員長や委員、団体からの説明でもあったのだが、武蔵野市内は、商業と住むためのまちであり、事務所が非常に少ない。公共用地を活用して新施設を建てるまでの間、仮住まいしたり、迅速性を最優先させるとなれば、空いている事務所を借りることが有力になるのだが、現実的には対象となる物件がほとんどないという現状も明らかになっていた。
 他にも現在の所在地(吉祥寺)に近いところに物件が出たとして、駅に近ければ当然高くなるが市はどこまで補助をできるのかとの質問が委員から出されていた。団体からの説明では、現状の家賃以下との認識が示されていたが、家賃という現実的な課題でも選択肢は少なくなってしまうかもしれない。

 公共用地に適切な場所はない。民間の可能性は現状では残されているものの、ここでもないとなると、当初の八幡町の案になるのかもしれない。時間をかければ、可能性は広がるが、どこまで急ぐのか。迅速性をどこまで考えるかで候補地も決まってしまうことになるが、この日の議論では、いつまで、との結論は出されていなかった。

■両団体の将来に迷い

 候補地以外の議論で気になったのは、2団体の将来について迷っていることがあるようだ、との指摘が委員からあったことだ。例えば、自治体の福祉事業を担う外部団体として社協(社会福祉協議会)がある自治体は多いが武蔵野市の場合は、さらに、福祉公社がある。このことについて、ほかの自治体の状況を聞く質問があったのだが、以前は社協と福祉公社の両者を持つ自治体は多かったが、介護保険が導入されたことで社協に統合されるケースが多く、近隣では調布市と武蔵野市だけに両団体が残っているとの説明があったからだ。
 福祉公社はいわばひとつの事業者であり、市が出資すべきか。今の事業形態のまま続けていくべきかの議論はすでにおこなれており、社協との統合などの案はあったものの、議会に反対の陳情が出され採択されたことなどから進展は見せていない。武蔵野市の福祉公社には独自の事業があるなど他自治体と同じようには考えられないが、将来像を描ききれていなかったことが今の問題に大きく影響しているのは確かだと思った(陳情を採択した議会にも責任はある)。両団体がこの先、20年間も同じように存続するのか。連携する必要が本当になるかなどを本来ではあれば、移転の前に決めておくべきだったのだろう。

 これらの意見交換の後、このような委員会ではあまり例がないのだが、傍聴者からの質問や意見を聞き、両団体からの返答も求めていた(このようなことは他の委員会でも実施すべきだ)。
 そのなかで、市民感覚で言えば、新しい家を建てるまでは少しの時間は狭い部屋へ引っ越して我慢してもいい。耐震性の劣る今の施設から仮移転して、新社屋が決まるまで時間を作ってはどうか。三鷹にある保健所跡地は、十分な面積がるのにだめというのは納得できない、との発言があった。団体からは、保健所の機能が残されおり、市としては保健所を残して欲しいとの立場なので貸して欲しいとはいえない。三鷹市も管轄になるので無理だろう。確認をしたが、空きスペースないとの返答だったとしていた。

■ほんとうに調べているか

 委員会を傍聴していて思ったのは、どこまで調査をしているのか。そして、目線はどこになるのか、だった。
 委員会で指摘されていたことでもあるが、八幡町への移転は迅速性でいえばベストではなくともベターだったと思う。しかし、あまりにも急速に動いたために両団体を担っているボランティアの市民が追いつけず、もっと丁寧に理解できるように、そして、他の可能性も調べて欲しいというのがこの委員会が設置された“そもそも”ではないだろうか。

 この前提で考えれば、この日の説明ではなぜ保健所が使えないのか市民に納得はできないだろうと思えた。福祉と衛生という別事業であり福祉が占有できるのか。他に活用方法が想定されているなどの使えない理由があれば、もっと示すべきだろう。現状ではほとんどのスペースは活用されていないのは事実であり、都は貸す可能性はあると思えるからだ。だめな理由としては説得力がなかった。
 他の物件でも、できないとの先入観で調べていないか、役所としては当然に思うことで調べていないかとの疑問も持ってしまった。市民に納得してもらうこともこの委員会のミッションにはある。素人として当然思うようなことも含めて、なぜだめなのか、もっと丁寧な調査と説明が必要ではないだろうか。この日の委員会は途中経過の報告ともいえるここまでなのだろうと思うが、次回には説得力を持って欲しい。改善を望みたい。

 この日の委員会では、候補地を絞ることはできず次回以降にとなった。今後は、検討委員会と各団体の評議員や理事者との意見交換会も行われる予定だ。

【参考】
福祉三団体改革基本方針 (社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会、(市民社協)、財団法人武蔵野市福祉公社(福祉公社)、社会福祉法人武蔵野(社福武蔵野)の今後の基本方針。平成19年9月。

事務所移転検証委員会(福祉公社のページの最下段に議事録、配布資料がある)