名寄台帳紛失事件 市長、副市長給与10%カットに

 6月28日の市議会本会議に名寄台帳紛失事件についての経緯の報告と今後の対応についての報告があった。同時に、管理責任をとるため邑上市長と井上副市長の一か月分給料の10%をカットする条例が上程され、全会一致で可決された。
 この事件は、平成22年3月1日に市税滞納者名寄台帳3冊が市役所内で紛失したもの。庁内だけではなく警察の捜査も行われたが、現在まで発見できていない。



 
 市ではこれまでに事件の原因究明、対応策、再発防止策などを検討する「台帳紛失事件対策委員会を設置しており、今回の報告書では、次のように今後進めていく対策を示していた。

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? 財務部納税課
(1)税務新システムに名寄台帳の内容を入力し、2–3年以内を目途に名寄台帳を廃止する。なお、名寄台帳を画像として取り込むことによって台帳を廃止することについても早急に検討を進める。
(2) 文書の安全・効率的な管理を徹底するための新たな書庫を購入。
(3) 執務室内に死角を作らないよう課内レイアウトを変更。

? 全庁向けの対策
(1)対策委員会では、防犯カメラの増設、その他関係各課からさまざまな提案があった。しかし、大きな予算を伴うものについては、費用対効果及び必要性について検討した上で対策を講じる。
(2) 危機管理体制の徹底は、今回の事件を踏まえ、別途検討を進める。
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 そして、まとめとしては下記のようにするとしている。

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 紛失した台帳は、現在も発見することができず、台帳が紛失した経緯も明確にすることができなかった。
 納税課による捜索で発見することができなかったこともあり、今後も発見できる可能性は少ない。
 警察の事情聴取においても、決定的な証言を得られなかったとのことであり、展開が急に進むようには考えられないが、今後、新事実が明らかになった場合には、警察に報告するとともに、警察から依頼があった場合も全面的に協力していく。
 なお、文書の取扱いについては、全職員に機密文書の厳重な管理等を徹底するとともに、新文書管理システムの円滑な運用により、適切な文書管理を実施していく。危機(リスク)管理の徹底については、改めて日常業務におけるリスクを洗い出し、分析した上で事前の予防策や発生時の対応策を検討する必要があることから、別途検討を進める。
 したがって、事件の解明の見通しも得られておらず、警察による綾査は終了していないが、一方では、対策について一定の方向性を早急に示す必要があることなどから、本委員会としての活動に区切りをつけるものとする。
 今後はこの事件での経験を糧として、全庁的に職員の意識改革を進め、このような事件が二度と起こらないようにするとともに、事件を未然に防止する仕組み、体制を構築していく。
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 報告書とは別に、管理責任を取ることから市長と副市長の7月分の給料の10%カットと職員一名の勧告と1名の訓告も行われる。警察の捜査でも発見できなかったことから、名寄台帳の紛失事件は、ひとつの区切りをつけたことになる。この紛失での被害はないとしている。

★原因が究明できていないので何ともいえないが、そもそも管理体制に課題があったのは確かなようだ。電子化が進んでいないことにも驚きを覚える。報告書に記されているように意識改革が必要なのだろう。
 

【資料】
市税滞納者名寄台帳紛失事件報告書