季刊むさしの 編集・配布方法の変更   事業仕分け的に考えてみると

 6月18日の市議会総務委員会で「季刊むさしの」の編集内容と配布方法を変更する行政報告があった。詳細は今後だろうが、聞いていて気になることがあった。それは、中学生向けにリニューアルするというのだが、これって形を変えて事業費を温存する役所的な発想ではないかということ。もうひとつは、広告を入れるとしていたが、学校で配布するものに対してのどのような広告がいいのかの基準ができているのか、との懸念だ。

「季刊むさしの」は昭和63年の創刊。『市政情報を紹介する冊子です。市の施策や事業、行事などの経緯・背景・問題点などを掘り下げて紹介しています。発行は年4回(3・6・9・12月の月末ごろ)、市内各施設で配布しています』(市のサイトでの説明文)というもので、写真や図版を多く掲載しておりグラフ誌のような体裁となっている。市報以外の市の情報を補完するメディアということになる。

 しかし、平成19年に行われた武蔵野市事務事業・補助金見直し委員会では、至急見直しの検討が必要で、廃止・休止、統廃合を検討すべきものと指摘されていたのだ。
 他の事業も指摘されていたが、検討すべき理由は、すでに役割を終えたもの、市民のニーズや市の政策目的と整合しなくなってきたもの、他の手段や方法により効果的に目的を達成できると考えられるものなどが考えられるためとしていた。他市ではこのようなメディアがないこともあり、平成20年に行った広報効果測定でも市民の認知度は低く、配布方法の改善や認知度の向上を考えるようにとの指摘もあった。

 今回の行政報告では『中学生に市政や地域に関する情報を提供し、市政への関心や地域への愛着心を醸成する』という目的に変更して市内の市立、市立中学生の全世帯に配布する。発行部数は増えるが広告を入れることで費用は変わらないと見込んでいる。その一方でこれまで発行していた『子どもむさしの』の発行はなくし、小学生向けの情報はホームページに掲載したいとしていた。

 事業仕分け的に、なくなったとして誰がどのように困るのかという視点で考えでみると、どこに不都合があるのか。なくすことをなぜ選択しないのがこの日の説明では分からなかった。税収が落ち込んでいるような自治体で事業仕分けをしたとしたら、真っ先に不要とされるのだと思う。予算カットを求められているが、別名目にして予算額を温存したいとの思いがなかったのかとも思ってしまった。

 また、教育委員会が独自に新聞形式の媒体を発行していることを考えると同じような事業になってしまわないか。さらに、小学生への情報はホームぺージで行い中学生は紙媒体になることになり、逆ではないかとも思う。

 そして、広告を入れて事業費を抑えることは考え方としては良いと思うが、学校で配布する、しかも、中学生というターゲットが明確になっていると高校や受験の案内、あるいは携帯電話などの広告だらけになってしまわないか。学校で配布するものにどのような広告がいいのか。あるいは、広告自体許されるのか、という課題があるとも思った。

 年度途中で予算額が大きく変わるというのではないので、予算を認める、認めないなどで事業実施前に議会が関与するわけにはいかない。そして、詳細はこれからのようなので、まずは今後の様子を注意深く見てみたい。中学生へ市の情報を伝えたいとの思いは分かるが、そもそもから考えてみるべきではないか、と思った。

【資料】
「季刊むさしのJの編集・配布方法の変更について
武蔵野市 季刊むさしの