議会改革の目指すもの                        市民と議員の条例づくり交流会議 in 九州 報告 その1

 5月29日に福岡市で開催された市民と議員の条例づくり交流会議 in 九州に参加してきた。テーマは、九州から始まる見える化・議会。議会不要論が多い中、議会が見えていないことが問題ではないか、との課題設定から議会の本来の機能を考えていくという内容だった。


■議会不要論は克服できるか 

 会議では冒頭に広瀬克哉法政大学教授の基調報告があったが、議会改革の先に見えてくるものは、議会不要論は克服できるかだ。最近、議会が注目される例として名古屋市や阿久根市議会があるが、これらは首長から議会が不要と主張されているもの。議会基本条例を制定し改革に取り組んでいる議会についてはほとんど報道されておらず、一般的には議会は不要との流れが強くなることが危惧されている、との指摘は多くの議員が肝に銘じておくべきだろう。

 広瀬教授は、自治体議会改革フォーラムの調査で、議会基本条例の制定する方針のもとで改革を行っているのは132議会あり、制定する議会は増えている。その中でも改革メニューのなかに議会活動への市民参加、市民とコミュニケーションをとろうとしている議会が注目できる。4年前までは議会と市民参加は敵、水と油と思っている議員が多かったが、基本条例により市民参加を保障するようになってきているとされていた。

 行政への市民参加は進んでいるが、議会への市民参加はまだ少数。議会が二元代表性の一翼を担うというのであれば、議会にも市民参加が必要ということだ。市民参加が進む行政と市民参加がない議会。市民がどちらかが必要と考えれば行政となってしまうことになる。このことに気がついた議会は改革を行っているとの指摘ではないかと思えた。

 ■議会による行政評価

 また、議場で討議することを規定した議会。政策づくりに取り組む議会も目立ってきていると分析。そのなかでも、目指すべき議会改革の方向として、政策を評価し市民に報告する議会がある。議会による政策評価、事務事業評価を行っているのは9議会だけだが、今後は増えるのではないか。初の議会基本条例を制定した栗山町議会である町民の方と話したさい、議会と行政の政策への違っていて良いのか、町民は迷わないかと聞いたときに、議会と行政は役割が違うのだから見方が違うもの。それが二元代表だといわれた話を紹介し、行政の説明と議会の説明を市民が聞くことで分かってくることがあるのだという実話も紹介されていた。

 議会と首長・行政は、それぞれ別の選挙で選ばれたのであって独自の考え方があって当たり前。首長・行政を批判するだけ、追随するだけでなく議会・議員として自らの考え、調査に基づいて政策を示したり評価を行い首長・行政と議論することによってよりよい自治体へと作り上げていくこと。それが本来の二元代表制なのだ、とこの話を聞いて確信した思いだった。

 ■自由討議

 広瀬教授は、議会の政策づくりの中心的な役割りを果たすのが議員間討議。論点、争点の発見と公開をして結論を出していくことこそ合議体としての議会だ、と指摘もされていた。首長・行政が提案した議案に分からないことを質問しているだけのようでは、議会としていいのか、という問いかけだ。
 武蔵野市議会でもそうだが、多くの議会は、首長・行政が提案する議案について、質疑をするだけで議員同士で議論することは想定されていない。質疑の後に討論という場はあるが、賛否の理由を述べるだけで、反対、あるいは賛成の議員にその理由は違うのではないか。課題があるのならこうしたら良くなるはずだ、などのよりよい政策にしていくという議論の場ではない。なぜ賛成か、反対なのかの意思表示としては重要な場だが、発言してそれで終わりという場でしかないのが実情だ。この場で議論をできるようにする。自由討議というのだが、これを規定するのが議会改革の大きなポイントでもある。武蔵野市議会では、自由討議の検討はしたが導入は見送られている。他の議会ではどうなっていくのか。気になる点だ。

 ■定数削減が改革ではない

 一方で、自治法をなぞっただけ、他の議会基本条例をなぞっただけの議会もある。議員定数削減、報酬減が議会改革だと思い、票が取れると思い実行している議会や首長があることも考えるべきだ。本来のあるべき議会の姿が見えていない。議会がよくなると市民生活が良くなるとの姿がないこと。議会の活動が意味がないことを自ら言っているようなものだ。
 
 政府が現在行っている地域主権の議論で、自治体の基本制度を選択できるようすること。議院内閣制という問題のある提案もでてきている。その一方で、現状ではないのだが、議会に予算提案権を持たせることも検討されているとしていた。
 課題はあるとはいえ、今の二元代表性が大きく変わる可能性があるということだ。議会をなくすことも自治体によっては選択できるようになる可能性もあるらしい。もしもそうなった場合、議会不要論が強くなっていくと議会はどうなるのだろうか。

 本来のあるべき姿の議会を検討すべき。役割の可能性を開くための議会改革を行うべきと広瀬教授は話を締めくくっていた。考えさせられる内容ばかりだった。