地方自治法改正で長期計画はどうなるか

 現在開会している国会に、地方自治法の一部を改正する法律案( 閣法第五八号)が提出されている。現在、参議院で先に審議が行われ可決し衆議院に送られている。この法律案が成立すると、これまで総合計画の基本構想の策定を自治体に義務付けていたことが削除されることになる。つまり、自治体が作成しなくてもよくなる。さらに言えば、議会の議決も必要なくなってしまう。



 参議院に提出された法律案は、地方自治法の一部を改正する法律案( 閣法第五八号)。議案要旨の地方分権改革推進計画に基づく義務付けの廃止に関する事項に『市町村の基本構想に関する規定を削除する』とある。

 武蔵野市では、24年度から第五期基本構想・長期計画の期間となることから、計画の策定を今年から始め、来年の9月には議案として議会に提出、議会で審議し議決することが想定されているが、この前提は、基本構想を作成し議決しなければならないという法律があったからだ。これがなくなることで、大前提が崩れてしまうことになる。

 5月28日に市議会議会運営委員会が議会改革をテーマに開かれたが、国会審議の様子を委員会で発言したところ、この前提が崩れることになり議論ができない、となってしまった。
 現在、議論が進められている議会改革のテーマのなかに、基本構想だけではなく、長期計画(総合計画)も議決にすることや基本構想・長期計画の策定時に議会がどのようにかかわるべきかを議論をしていたのだが、そもそも策定するかも分からない(おそらく法律は成立するだろう)のだから議論のしようがないからだ。

 結局、5月31日に代表者会議が開かれ、市の基本構想・長期計画について説明があることが分かり、この説明を聞いてから議論をしようとなり、この日の議会運営委員会は終わった。

 国の法律が変わることで武蔵野市の計画の作り方も変わることになる。どのような案が市から提示されるのか。31日は注目だ。

★なぜ基本構想の策定を削除するかだが、いろいろな人から話しを伺うと、基本構想自体に意味がないから、との考えが多かった。
 基本構想の策定と議決は決められていても、その実行段階での縛りがないので途中で変えてしまっても、極端なことを言えば、全部ひっくり返しても法的には何の拘束力もないからだ。特に市長選挙で、それまでの市長の対立候補が当選すると前市政の批判で当選した以上、施策の変更が行われることになり、基本構想の意味がなくなってしまうという課題があるからだ。
 また、武蔵野市の場合はかなり作りこんでいるので違うのだが、きれいなまちにしようなどのようなスローガン的な基本構想であったり、業者が作ってしまいどこでも同じような内容の構想というケース。マニフェスト型の選挙が浸透することにより、4年間で実行する施策を書き込んだマニフェストのほうが有権者の信任をえているのだからより重要度が高いという考えもあり、基本構想自体に、ほとんど意味がないという考えが多いからだと思う。

 武蔵野市が今後、基本構想を策定するのか。議決を必要とするのかは、今の段階では未定だ。市の考えが示され、議会の考えもまとまった段階で決まることになるはずだ。基本構想の策定と議決が必要となった場合、条例をによる規定が必要になるだろう。そうすると、そもそも基本構想とは何か。どのような手続きで作成すべきかなどの定義も必要になるのではないだろうか。

 国の法律改正で自治体運営の根本を考え直すことになるのは確かだ。そして、このことにどれだけの人が気づいているかも気になる。