アニメ・漫画規制 目的と手段

 5月18日に都議会総務委員会が青少年健全育成条例改正案について参考人から意見を聞いた。この委員会が公開されることになったので傍聴をしてきた。
 規制賛成、反対派から各二名が意見を述べていたが、規制反対派の宮台真司首都大学東京教授が述べていた、目的と手段が違うとの意見がもっとも今回の改正案の問題点をしてしていると思えた。



 この日は、別の用事があり規制賛成派の赤枝恒雄医師と宮台教授の意見を聞いた限りでの感想だ。
 赤枝医師は、まちかどでの無料相談などの実情から過激な情報に子どもが接すると性の倫理観がねじ曲げられてしまう。結婚が許される16歳までは規制をすべきだ。セックスもしてはいけないなど法律も必要との見解を示し、現実は待っていられない、早期の改正をすべきとの意見を述べていた。
 宮台教授は子どもを守るのか、守らないかでの議論ではなく、条文で判断すべき。この改正案では、何を対称にするかあいまいで行政や政治の主観で対象が変わってしまう。メディアによる悪影響の学問的根拠はない。親子で課題を解決する能力がなくなってきていること、教育でも担えなくなっていることを考えるべきで社会が直すようになるべきだ。雨漏りが多くなればバケツのニーズが高まるがバケツを増やすのではく雨漏りを防ぐほうが先。しないのであれば行政の怠慢と指摘していた。
 そして、今の条例でも有害図書指定などで十分対応でき、成果をあげている。成人コーナーなど販売できる場所のゾーニングで対応できるのに、なぜ改正が必要なのか。犯罪数は現実には増えていない、との問いかけもあった。

 赤枝医師の今の現実を何とかしたいとの強い思いも分かり理解できるが、条例改正で見せなくするようにすることで倫理観が良くなる、効果があるのかと思えば違うと思えた。インターネットを含め、他のメディアもありアニメや漫画規制しただけでは意味がないと思えるからだ。むしろ、弊害や本来の狙いを捻じ曲げられてしまう可能性を問題視すべきだと思う。目的は同じでも手段が適切なのか、改正による悪影響かは何かで考えれば改正はすべきではないだろう。6月の都議会が注目される。

 余談だが、委員会室に傍聴に行ったら、傍聴券は一階の受付とたらいまわしにあった。傍聴に慣れていない都議会の実態が分かったような気がした。また、委員会の傍聴者の席を増やしたのは都議会では初めてとの話も聞いた。参考人招致もほとんどないと思う。改正案の議論とは別次元のことだが、議会が活性化することはいいことだ。

【参考】
東京新聞 性描写規制で都議会委意見聴取 賛成、反対双方から意見
Tokyo MX 都議会 性描写規制案めぐり参考人招致 (動画あり)