道路  大切なのは作ることよりもメンテナンス 

 4月9日に「道路舗装の維持修繕の実態と今後のあり方 ~地方自治体の管理する道路について~」という勉強会に参加してきた。市内の道路はほとんどが舗装されているが、そのメンテナンスを、財政が厳しい中で自治体がどのように考えていけばいいか。現在のままで問題がないかなどがテーマだった。


 
 勉強会の講師となっていたのは、土木学会舗装工学委員会委員の竹田敏憲さん(元東京都建設局)とNPO・社会基盤の超寿命化を考える会議の理事、蒔田貫さんだ。それぞれに舗装道路の役割や歴史的な背景、生活環境改善にもっと道路を有効利用できないかなどの話をされていた。さまざまなお話があったが、今後よく考えなくてはならないと思ったのは、全国の道路の総延長、117万キロのうち80%以上は市町村道路だといことだった(農道は除く)。無料だったのが、いつの間にやら上限料金化が注目されているが高速道路だが、実は、この80%のメンテナンスや効果的な補修をどうすればいいのかを考えなくてはならないという話だった。高速道路のメンテナンスはより費用がかかるのだそうで、その費用を国で持つようになれば一般道路の予算を圧迫することになるとの指摘もあった。高速道路だけに注目しがちだが、もっとも密接な目の前の市町村道路の今後を考えてほしいという課題提起にも考えさせられた。

 結論から言うと、舗装道路を作るさいには予想される交通量などから舗装の厚みなどを想定し、ひび割れができるまでの寿命を計算することができるのだが、実際の検証はできていないのが実情。言い方が悪いかもしれないが、作ったらつくりっぱなしで、ひび割れや穴が空いたらその場しのぎで補修をしている例が多い。寿命を過ぎてもそのままというケースもあるのだそうだ。定期的にメンテナンスをしていけば結果として舗装道路の寿命を延ばすことは分かっているが、財政的なことから補修計画を作らないことのほうが多いのだそうだ。

講師の方は行政の担当者でもあり、その体験を踏まえての話だったこともあり考えさせられた内容だった。定期的なメンテナンスを行わないと、結果的は苦情が多くなり、住民サービスの低下につながる。さらに行けば道路管理者の瑕疵につながることにもなる。しかし、メンテナンスの水準をどの目標に置くかは難しい。市町村ごとにデータをとるなどしてどの程度がいいのか、今後考えたほうがよく、そのためにこの会に集まった議員や市民同士でデータを比較してもいいのではないか、との提案もしめされていた。

 また、行政の内部では自ら設計ができ、舗装の良し悪しの判断ができる技術職の職員が少なくなり委託化が進んでいる。職員は残っていはいるが、地味な積算業務ばかりになり若い技術者にとっては魅力的な職場になっていないという課題も話されていた。医療の世界では大病院だけではなく町医者も必要なように、市町村には道路の町医者のような技術者も必要だろう。公務員を増やすことが難しいだろうが、例えば道路の巡回は郵便配達の人に頼むなどの工夫も必要ではないかとの提案もあった。早急な検討が必要だろう。

“自治体の最大の公共施設”と言われる道路。作ることには熱心だが、今ある道路を長く経費をかけないで使い続けることにこそ考えるべき、がこの勉強会の結論だ。今あるものを長く使う。じつも道路にもエコ感覚が必要ということだ。これは、国も地方自治体も同じだろう。
 日本の舗装道路は東京オリンピック頃から一気に舗装が進んだとの話もあったが、これは一気に補修が必要になることにもなるわけだ。今後、高速道路の料金以上に大きな問題になる、あるいはなっているが表面に出ていないのではと思う。メンテナンス費用はどの程度ので行い、いくらが適正なのか。今後、実証を踏まえて早急に考えなくてはならないのは確かだ。

 実際のところ、道路の舗装については技術的なことはよく分からない。コストやメンテナンスが現状で適正なのか私はほとんど理解できていこともあっての参加だった。
 今回の勉強会の主催は、和光市の市議会会派「新しい風」。この会派の井上わたる市議とはいろいろな勉強会などで一緒になることが多く、当初は会派の勉強会だったのを幅広く呼びかけていただいたものだだった。素人にも分かりやすく技術的な解説もしていたけた。この場を借りて感謝申し上げたい。