議会による事業仕分け

 政府が二回目となる事業仕分けをする行うという。私が「仕分け人」の講座を受講している頃は、あまり注目されていなかった事業仕分けだが、良い面も悪い面も含めて注目されることは良いことだと思う。しかし、いつも思うのは、事業仕分けはそもそも、議会の仕事ではないか、ということだ。そこで、公開の場で議会の会派として事業仕分けを行った民主党京都府議会議員団の熊谷哲さんに率直な感想を含めて話を伺ってきた。
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 熊谷さんら京都府議会の民主党会派の人たちは、まず、選挙時のローカルマニフェスト作りから政策中心の政治を目指していたという。この動きの先に、北川正恭マニフェスト研究所所長(早稲田大学院教授)から、政策づくりから実現する姿を見せろといわれたことから、予算への反映なども行ってきたが、政権にいた時に自民党が事業仕分けをしていが、その様子を見ていると、国の官僚が現場を知らないし政策も分っていない。具体的にどうやって成果があがるかを分っていないことを知り、京都でも事業仕分けをやってみようとなったとされていた。事業仕分けそのさい、京都でも京都でもやってみようとなった。当時の京都府では、行政評価ともいえる仕分けを行政がやってはいたが、公開でやっていないこと、外部の人間がいない関係者ばかりの人間で行っており、内部評価であり意味がないと考え、議員として自分たちがやっていることを確かにするためにやろうとなったのだそうだ。

 その結果、民間会社に委託し難い事業を府の外郭団体である財団をトンネル会社にして丸投げしていたことや一人しか職員がない財団で事業を実施できるのか。毎年、定額の補助金を支出しているのに成果が分からない事業。もらっているほうも、他にやりたい事業があるのに、毎年出るから事業を続けている例や逆に年度にまたがって行われる事業には使い難い。不要とした補助金の支出内容はすべて人件費だった。事業のミッションに応じてだすべきではないかなど多くの課題が明らかになったとされていた。

 総じていえるのは、都道府県の事業は、自らが行うのではなく市町村への補助事業が多いので現場感覚がない。実際に行うのは市町村なので仕分け難しい。感想としては、驚きとがっかりが多かったが、気づきの道具にはなった。事業仕分けは、いつまでもやるものではないが、政策を見つめなおすいいきっかけになり、仕分けをすると議員の実力が如実にでる。一番役立ったことは、議員の資質向上になったこととの率直な感想も話されていた。

 他に会派として行ったことへの批判もあったそうだが、それまでは自民党会派が、職員を呼んで支援者へ事業の説明を行うことをしているが、それとどこが違うのかと反論をしていること。予算を認めていながら、今度は不要というのはおかしいではないかとの批判には、厳密に言えばそうかもしれないが、予算審議では時間の問題もありそこまでやれていない。予算はあくまでも方向や枠と考えるべきではないか。
 そのことよりも、決めたら全部OKではない。検証と修正は必要であり、何のために決算があるとの問題にもなるとの意見だった。

 議会がそもそもやるべきとの考えには、当然そう思うが、首長との関係や議会内の調整など課題が多いこと。議員が入ると判断が甘くなる傾向になっているとの感想もあった。これは、他に事業仕分け人からも聞く話で、事業を担っている人や対象となる市民の顔が分かるので、補助金などを切りにくいことがあるからだ。これは議員だけではなく職員も同じことだと思う。だからこそ、外部の何も関係のない人だからこそ、そもそも必要なのかと客観的に判断することが重要だと思う。職員が自ら担当している事業を不要とはいえない。支援者が補助金を受けている事業を不要とはいえない議員心理もあるからだ。

 事業仕分けには批判の声も多く課題もあるとは思う。議員の資質向上になったとの感想には耳が痛いが、現状を変えていくには、まず一歩を歩き出すことからでしかできない。そもそも必要なのか。何のために行うのかなど事業仕分けの視点は、税収が大幅に増えていくとは思えない自治体経営には今以上に必要だとあらためて思った。

 ところで、会派、あるいは議会で事業を仕分けをするには、執行部の協力が必要になる。そもそも、予算や決算があるのに、なぜ受けたのかも気になるところだ。このことについて、山田京都府知事は、議会の調査権の範囲と話されていたが、熊谷さんは、軽い気持ちで受けたようだ。ここまでやるとは思っていなかったのは、との余談も話されていた。

 いずれにせよ、議会にも執行部にも、府民にも気づきの道具、きっかけになったのは確かだろう。国と同じで、次の予算にどのように活かすかが問われていると思う。

(熊谷さんのお話は、2月20日、21日にあったローカルマニフェスト推進議員連盟の研修会の席で伺ったもの)

【参考】 地域主権と地方議会