太陽光マンション 普及させるインセンティブ

 ケンプラッツが太陽光発電マンションが福岡で続々誕生し、近隣相場に比べ1割ほど高い賃料にかかわらず満室状態を保っていると報じている。
 屋上に太陽光パネルを装備したマンションだが、戸別に太陽光電力を供給できる仕組みを採用したことが特徴だ。このことにより各戸で電気代が安くなることが実感でき、季節によっては利益もでるのだそうだ。多少家賃が高くても“お得”になる仕組みが、結果的に自然エネルギーを普及させていることになる。このような施策を、国も自治体も進めるる必要がありそうだ。



 このマンションの建設・運営しているのは、北九州市に本社がある芝浦特機。マンションだけではなく個人住宅への太陽光パネルの設置やグループ内で電気自動車を開発し販売しているなどの事業を行っている。
 2005年に完成した「ニューガイア上石田」には、屋上に430枚の太陽光発電パネルを設置し、43戸分、各戸10枚ずつに分割され発電がされている。通常の電気代が安くなるだけではなく、電気の消費量が少ない5月、6月には利益が出る場合もあるのだそうだ。同社が示している資料から読むと月平均2000円程度の電気代が安くなっている。

 2010年3月に完成した分譲マンション「グランドニューガイア新栄町駅前」にもこのシステムが導入されている。このマンションの特徴は、マンションのオーナーや管理組合が太陽光発電システムまでも購入するのではなく、リースにすることで維持管理の負担をなくすことも含めて太陽光発電装置の普及を進めようとしているだ。また、世田谷区に建設中の分譲マンション「クレヴィア二子玉川」では、屋上に設置する太陽光パネルで作った電力をマンション共用部の夜間照明などに使うことでマンション1戸あたり月約1200円の管理費負担の軽減を想定している。

 マンションに付加価値をつけることで、マンションの稼働率や販売増へとつながり、結果的に低炭素社会へと結びつくことになる。入居者にとっては、家賃が少々高くても、環境にやさしい生活という気分だけではなく、電気代が安くなる直接的なメリットやわざわざ太陽光発電設備を購入する必要がないなどメリットがある。太陽光パネルの製造時や廃棄時まで含めたライフサイクルコストまでは分からないが、低炭素社会にしていくには、このようなインセンティブを作ることが今以上に必要だと思う。国や自治体による新規住宅、住宅回収時への補助などでこのような仕組みを普及させることも考えてもいいのではないだろうか。

【参考】
ケンプラッツ
 太陽光発電マンション(1)福岡県で続々誕生
 太陽光発電マンション(2)独自技術を分譲にも 

 蓄電池と太陽光パネルでマンション共用部の照明を賄う