全会派一致で22年度予算可決成立

 3月26日の市議会本会議で22年度予算が審議され、先の予算特別委員会と同様、値上げが含めれる下水道などの特別会計で共産党市議が退席したほかは、全会派一致での賛成となり、可決成立した。


 22年度予算での施政方針と基本的施策については市のサイトで公開されている。『「平和な未来を市民とともに育む予算」と位置付け、計画3年目となる第四期長期計画・調整計画の事業を着実に実行するため、限られた財源を計画的、効率的に配分することを基本に編成いたしました。一般会計の予算規模は、前年度比3.2%増の569億4千万円となっています』というものだ。

 課題はいくつかあるが、市政全般について、細かく配慮されている予算だと思う。下記が賛成討論のさいに述べた原稿だ。

 現在の経済状況からすれば、23年度の財政は悪化することは確実だろう。何を削減していくのかが、今後、問われてくる。あれもこれも欲しい、値上げはいやだとは言っていられない時代なのは確かだろう。あれもこれも、から、あれかこれか、の時代なのだ。そのなかで、どこに重点がおくかが問われてくる。

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 民主党・無所属クラブを代表して、一般会計、特別会計、企業会計のすべてについて賛成の討論を行います。

 今回審議した22年度一般会計の当初予算総額は、569億4000万円です。歳入では法人市民税の減収が目立ちますが、東京都課税分になっていた大規模償却資産が本市の課税分になったこと、固定資産税の増などによりで前年度当初予算比、17億4000万円の増となっていました。昨今の不況により、歳入不足に悩む自治体が多い中、大幅な縮小形予算とならいことが見込まれることに、納税者の方々にまずは感謝を述べたいと思います。しかしながら、子ども手当て分の歳入額約20億円を差し引けば、昨年の当初予算よりも約3億円の減となります。
 歳出目的別で一般会計を見ますと、昨今の経済状況を反映し扶助費が34.3%増、学校給食の委託が始まることなどでの物件費の増、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療制度への繰り出し金の増が特徴となっています。これらは、今度、そう簡単には減ることがなく、今後の経常収支比率がより高くなることも想定されますので、財政を硬直させないためにも、いっそうの行財政の見直しが求められることになります。この点から考えれば、事務事業や補助金の見直しが行われたことは高く評価をしたいと思います。
 ただし、見直しとは削減だけではありません。市の未来を考え、必要な事業には投資をする、社会的効果も考えるなどのメリハリも必要であり、それが政治の仕事だと指摘をしておきます。

 さて、22年度予算の策定にあたってこれまでと大きく変わっていることは、行財政改革、事務事業と補助金評価を一体的に実施したことにあります。議会には予算審議に先立ち、一部の事務事業だけでしたが評価シートが配布されたことから、この評価シートを基本として審議にあたってみました。ご存知のように行政評価は、施策や事務事業ごとにアウトカムを明確にした上で予算を組み、評価をしやすくするためのシステムです。本市では、これまで、フルコストを示す評価を行ってきましたが、今回の評価シートで新たな段階に入ったことになります。その意味で、どの程度、予算に反映できたのか。しいては、行政改革のツールになりえているかの観点で予算を審議してみました。
 結論から言えば、議員に配布された評価シートを見る限りでは、ツールとして活用しきれていない、アウトカムが明確化されていないことを指摘したいと思います。新たにはじめたことを考慮しますが、22年度には、誰でもわかりやすい「見える化」ができるように内容の精査を行うよう提案をします。

 次に、一般会計について、各款ごとにいくつか提案をしたいと思います。まず、総務費、人件費について。
 
 評価できる点は、第五期基本構想・長期計画の策定費用、分権と協働の時代における自治体運営の検討についての事業を昨年度から継続的に行うこと。八幡町コミセンの建替え予算が計上されていることです。
 課題として指摘したいのは、第五期長期計画基本構想策定への具体的なプログラムや実施時期が明確ではなかったことがあります。予算が成立した後、速やかに事業を進めることを提案します。市民参加は当然として、参加する前提としての課題整理など事前の作業は特に急ぐ必要があります。どのような市民が参加できるのかの精査や策定した後の進行管理への市民の参加手法の検討も必要です。何よりも、先の調整計画で得た、代えがたい経験を活かすこと。市民参加から市民参画、市民自治の計画とするように提案をします。
 人権費については、第5次適正化計画を実行していますが、実際の業務に支障がないのか。各事務事業について、市役所がやらなくてはならないことなのか、庁内体制は現状のままで良いのかの精査や特別職の報酬も含めて総合的に判断していくよう提案をします。

 また、協働事業が進められていることは評価をしますが、答弁にもありましたように、補助金が、育成なのか補助なのかの整理が必要であると指摘をします。22年度予算の特徴でもある「平和」について注目し、平和のまちづくりをしたいとの思いも評価をします。平和の日の制定を目的にするだけではなく、制定によって何がうまれるかをよく検討するように提案をします。

次に民生費ですが、22年度で大きな節目となるのは、公立保育園の運営主体の変更についてでしょう。23年度から実施するのであれば、早期にどの園を変更するのかを保護者や市民に知らせ、よりよい保育ができるように保護者、保育士と協議をしていくべきと提案をします。直営か民間かという制度論だけでは、保育の中身、質をよくすることはできません。子どもにとってどのような環境が最善なのかを市としても明確化する必要があると提案をします。
予算としては、認可外保育所や病後児保育室への助成増額を評価します。
 学童クラブについては、二箇所の移転予算があることは高く評価をしたいと思います。障害児学童の新設や個別クラブでの障害児枠の弾力化も評価をします。しかしながら、児童福祉の原点から考えれば、国も都も必要としている土曜開所について、明確な実施時期が示されていないことは大きな課題です。22年度内の早期、遅くとも23年度には実施すべきと提案します。 
 質疑のなかで議論となりました緑の子ども館については、誰のための事業なのかの原点を忘れずに当事者の意見を配慮しながら事業を実施していくことを提案します。
 特別養護老人ホームやサテライト型小規模老人保健施設への拡充も評価をします。しかし、介護保険とも関連しますが、今後の高齢者福祉は、在宅中心なのか、施設中心にするのか、それとも、その間の第三の道を選択するのか、高齢者住宅の施策も含め、早期に市としての方向を明確にすることが必要と提案します。現在の条件を考えれば、第三の道を検討するべきと意見を述べておきます。

衛生費では、クリーンセンターの建替え事業について、市民参加方式で行われることを評価しますが、施設だけではなく、ソフトも含めたまちづくりとして検討していくことを提案します。
 ごみ便利帳への広告掲載は、方向としては評価をしますが、見やすさを重視することと節度を持って導入すべきと提案します。
 また、環境マネジメントシステムについては、ISOだけに固執するのではなく、市民と協働できるシステムについても検討することを提案します。

商工費では、観光推進機構(仮称)の設立については、市内への経済対策としても非常に重要な事業となるとも考え高く評価します。しかし、どのように具体的に推進するのかが明確ではありませんでした。組織を作ることが目的ではありませんので、来街者の視点も取り入れ具体的に何を実現するのかを早急に確定することを提案します。

土木費では、駐輪場の拡充については高く評価をします。今後もさらに必要なことが考えられますので、地下化の検討も含め新たな用地の検討をするよう提案をします。
吉祥寺南口駅前広場事業については、吉祥寺の発展には欠かせないとの認識で停滞することなく、さらに進めていくことを提案します。
三鷹駅北口の交通機能改善事業も評価をしますが、北口全体のグランドデザインにも取り組むよう提案をします。
都市計画道路3・4・27号線については、墓地という事情を勘案のうえ、慎重な取り組みとそもそもどこまでが必要な道路なのか検討することを提案します。

教育費では、教員用コンピューターネットワークの本格導入については評価します。導入することで終わることなく、本当に教員の事務の軽減になるのか。子どもと向き合う時間が増えるのかの評価も行うよう提案をします。

また、給食・食育振興財団への学校給食の委託費用が予算化されていました。本市の現在の給食内容については評価をしますが、委託することでその質が保てるのか、将来にわたって担保できるのかについては、確約がこれまでにできてはいませんでした。今回、資料請求により提出されたガイドラインにより、一定の理解をしますが、もっと早期に提示をすべきであったことを指摘しておきます。

 ガイドラインは、武蔵野市の学校給食の高い質を委託しても変わらないことを示すものです。さらにいえば、給食は委託としても質が変わらないのではなく、直営では起きてしまいがちな硬直した体制での事業から、保護者や地域、生産者も一緒になりよい食環境を作り出すために委託という形式を道具として使う。質はこのガイドラインがあるからだ、というような主張もしていくべきと提案をします。そうでなければ。何のための委託なのか分からなくなるためです。
 給食の審議のさい、担当部課長から熱意のある答弁がありました。その答弁の熱い思いを、将来にわたって継承すべきであり、そのためにガイドラインの内容を条例化するなど全市民が共有化できるよう位置付けるべきと提案をします。

 給食だけではありませんが、各事業は、目先の利益のために行うのではなく、描いた理想のために実施するものです。22年度予算の執行にあたっては、誰のために何を行うのか。もう一度、原点に立ち戻ること、市民福祉向上のために、迅速に、そして効率的に行うこと。武蔵野市の特徴でもある文化を各事業へと活かすこと。都市基盤のリニューアルと公共施設の再配備を着実に進めていくべきとの意見を述べておきます。このほか、特別会計の審議も含めて予算委員会で議論された内容を市政経営に反映されることを期待します。

 最後に、予算編成に当たった理事者、市職員の努力に敬意を表するとともに、この三月を持って市役所を”卒業”される皆さんへ、長年の市制発展へのご尽力にこの場をお借りして感謝を申し上げ、民主党・無所属クラブを代表しての賛成討論といたします。