給食のガイドライン

 22年度予算審議のさい、学校給食のガイドライン(指針)が明らかになった。会派として資料請求したことで提出されたもの。武蔵野市の学校給食は、この4月から委託化されていくが、そのさいに最も重要なのが、今までの質をどのように保ち、より良くしていくかだ。内容的には高く評価できるのだが、正直なところ、このようなガイドラインを先に示してから委託を決めるのが手順ではなかったのか、と思っている。



 武蔵野市の学校給食の特色については、市のサイトに給食の特色として説明をしているが、最も特徴といえるのは食材にこだわり、手作りにこだわっていることだ。

 たとえば、安全を考え、食材の選定基準を設け、市独自で残留農薬検査や遺伝子組み換え定性検査を行っており下記のようにしている。

米=低・無農薬や有機栽培の七分米
野菜=低・無農薬、有機栽培
卵=自家配合飼料(非遺伝子組み換えの飼料)
麺=国内産小麦粉使用
調味料=化学調味料は使用せず、だしは、けずり節、昆布、鶏がら、豚がらを使用。

 また、ハンバーグ、コロッケ、カレールーなどは素材から手作りし、契約農家や武蔵野産の野菜をとり入れている。

 しかし、委託することでこのような内容が将来にわたって大丈夫なのか、が大きな問題になるのが一般的だ。

 武蔵野市の場合は、他の自治体のように民間の営利企業へ委託することはせず、市が出資する財団法人に委託する。今の給食を担っている職員が出向することや市の関与も続けることで質の変化はなく、財団で職員を正規雇用することで、非正規に頼らざるを得ない直営の大きな問題をなくしていくことも狙いになっている。
 このことは評価できることで異論はない。現状では信頼をしている。
 だが、それが将来にわたってどのように担保できるのか。質が変わらないことを明確にすること。そのためには、何よりも今の給食のことを保護者や市民に理解されることが大前提であるはずだ。良いことをやっているからそれで大丈夫、では、もし、今の職員が変わった場合、時が流れ給食のことを知らない市民や政治家ばかりになった場合に、こんなコストがかかることが必要か。ファーストフードのほうが安いのだから、とにかく安くしろ、となる危険性が高いはずだ。

 給食のコストは食材費を含めれば現在は一食あたり800円強となっている。食材費は法律によって保護者負担としてそれ以外は自治体の負担となるのだが、食材費以外のコストの多くを占めるのが人件費であり、安全な食材を使い手作りに徹すること、出来合いの食材をつかわない手間のためのコストでもある。コスト削減は重要だが、人件費をあまりにも削ると今のような質を保つことができなくなり、結果として質の低下に結びつき教育としての給食が成り立たなくなるのは容易に想像がつく。今良いからではなく、将来もよくしておくことが今、問われているのだ。
 
 武蔵野市の学校給食はこのような理想で作られている。それは、委託しても変わらない。変わらないのはこのガイドラインやマニュアルがあるからだ、ということを早期に示すべき、とはこれまでも会派として主張してきたことだ。それが委託が決まる前に示されていなかったことには大きな疑問を持っていた。今回、予算審議というぎりぎりの段階で示されたことで納得はするが、もっと早くから示すべきだったと思う。
 そのことよりも、給食は委託となるが、質が変わらないのではなく、直営では起きてしまいがちな硬直した体制での事業から、保護者や地域、生産者も一緒になりよい食環境を作り出すために委託という形式を道具として使う。質はこのガイドラインがあるからだ、というような主張もすべきだろう。何のための委託なのか分からなくなるからだ。

 審議のなかで、直営がいい。コストカット目的の委託すべきではない、との意見がある議員からあった。担当の部課長からは、コストも考えているが、質をよくするため最善を考えた結果だと答弁があった。主観的なやり取りでもあったが、思いをぶつけ合うことも議論としては重要だと思う。この答弁の熱い思いを、将来にわたって継承すべきであり、そのためにガイドラインにして欲しい。

 目先の理由ではなく、未来をよりよくするために行う。そうでなければ、委託の意味がない。これは給食だけではなく、保育も同じ。夢を感じられなければ不安だけが残るからだ。

画像は資料として提出されたガイドライン(指針)。市は、さらに細かなマニュアルも策定している。

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