観光推進機構への期待と“もやもや”

 22年度予算審議の四日目。商工費で22年の新規事業として2800万円が計上されている観光推進機構(仮称)の設立について、事業の目的は何か。アウトカムと事業を評価するための指標としてアウトプットはどのように考えているかを質問した。
 答弁は、これからの事業なので詳細はこれから。数字としての指標は考えていないというものだった。現在の経済状況から考えても、来街者を増やし市内の経済を活性化する必要がある。そのために、この事業を起爆剤にすべきだと思っていたが、現状ではどうなるか分らない“もやもや”とした状態としか思えなかった。



 予算参考書の事業内容には「本市の都市観光を推進するため、観光推進機構を設立する」としている。市では、観光推進計画を策定しており、この計画の基づいて設立するというものだ。しかし、設立することによって、何がどうなるのか。22年度予算の策定からは、事務事業評価表を元にアウトカム、アウトプットを示して各課が予算要求をしているはずなので確認をする意味で質問をしてみた。
 答弁では、市内の商業や農業関係者などが集まり、市内の観光名所などを再確認するするもの。最初の一年は市の職員を派遣するが、翌年からは機構で職員を採用してもらう。情報の収集や発信などを行う予定。来街者など数字は分らない。詳細は、今後協議していくというものだった。

 このような答弁ではいったい何の役に立つのかと疑問を持ってしまった。
 商業者などが集まり、魅力を再発見するのは悪いことではない。だが、そのようなことは既存の組織でもできるはずで、すでに行われていることではないだろうか。今の不景気の時期に必要なのは、来街者を増やすことから商業の活性化、つまりは、商店などの売り上げを増やす。結果として税収を増やすことであるはずだ。そのために、市外の人に情報を発信すること。メディアへのプロモーション、広報宣伝活動をすることが何よりも重要ではないか。そのツールとして観光ではないのか。観光は名所旧跡だけではなく、今の魅力も含まれるはずだ。その戦略を考えた上で組織を作るべきだと思う。
 そして、機構には市内のだけの目線ではなく、来街者、来てくれる人は何を魅力と感じてやってくるのかの視点がないと井の中の蛙論理になってしまうのではないか。マーケティングとしても重要であり、市外の人の視点も入れるべきとの提案もした。
 
 また、この機構の事務所は、吉祥寺にある商工会館の中に作られるので吉祥寺には市の組織として吉祥寺まちづくり事務所、外郭団体である開発公社があり、商店街など民間組織もたくさんある。さらに市の組織としては、商業の担当となる生活経済課が市役所のなかにある。何をすべき組織なのか。目的を明確にしておくこと。他の組織の仕事、役割を図式化すること、「見える化」がないと、たんに組織がひとつ増えて、いつもと同じメンバーが場所と名前を変えて話あうことに新たな税金を支出することになってしまわないか、との危惧もうまれてしまった。

 商業活性化として観光の視点から来街者を増やすことは重要であり、昨今の不況を考えれば早期に必要だ。この意味からも、この機構には大きな期待を持っている。だが、この日の答弁では戦略性が見えてこなかった。4月から動き出すこともあり、検討はこれから。動きながら考えていくと理解しているが、期待が高い分、目的と何をすべきかが明確になっていないことは残念だった。今後に期待をしたい。