子どもプランの行政報告

 3月5日に市議会文教委員会があり、第三次こどもプランについて行政報告があった。報告のなかで、運営主体を変更しても、財政面を含めて市が責任を持つ。23年度に2園、25年度に3園を委託することについて、25年度の3園はあくまでも可能性であって現在では白紙。株式会社への委託は考えていないと市の考えが示されていた。
 委員会では、子どもプランの中味よりも委員会に先立ち「武蔵野市の公立保育園を守る会」から議員に渡された「公立保育園の民営化問題について(お願い)」(画像参照)の中味が事実なのかについてがの質問が多くあった。市の答弁では、この文書に書かれていたことは事実と異なっていた。

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 委員会では、民営化反対と2万筆に近い署名が寄せられているが、市長はどのように受け止めているか。保護者は運営主体の変更を納得していない、との質問が委員(議員)からあった。
 市長は、民営化を心配されての署名だと思う。運動は否定しないし敬意を払いたい。しかし、民営化という言葉が先走っているのではないか。子どもプランの内容と違った内容が伝わっており、理解が得られていないとの思いが第一だ。心配される内容ではない。株式会社への委託は考えていないなどと答弁していた。
 また、運営主体が変更されたとしても、保育園は児童福祉法によって市が実施すると定められている。内容の検証も含めて市の責任で行う。これは、公立であろうが民間であろうが同じだ。保護者が納得していないことについては、説明をすることで理解が得られていると考えている。今後も、保育園全園への説明などを行う、と担当者からの答弁もあった。

「公立保育園の民営化問題について(お願い)」に『2月15日付けで市職労は民営化反対の要望書を市長に出しています』と書かれていることについては、そのような事実はない。市職労とは、運営主体の変更については関与しないことを確認している。このことが市と組合とが合意した唯一のことだ。
 23年度に2園、25年度に3園を委託したいとの考えがなぜ出てきたのか。内部の検討事項を外部に出してしまうことは職員として問題ではないかとの質問もあった。この質問に対しては、あくまでも行政内部での検討事項であり、外部に漏れてしまったことはお詫びしたい、と担当部長から陳謝があった。委員からは、不安を煽らにように行政もかかわるように、との意見もあった。

 私からは、23年度に2園、25年度に3園を委託したいとの考えについて、25年度の3園については、最初の2園の検証をしてからでないと判断はできない。あくまでも可能性であり現状では白紙との認識かと質問をした。今の時点で委託数ありきで動くべきではないと考えての質問だった。答弁では、あくまでも可能性であって白紙状態との内容の答弁だった。財団(子ども協会)については、国の制度がどのようになるか分からないが、運営費も含めて市が責任を持つとの認識でいいかと質問をしたところ、市が責任を持つと明確な答弁があった。
 また、武蔵野市の保育園は公立だけではなく、民間の保育園もある。財団での保育園も含めて、すべての武蔵野市の保育園が守るべき基準、どのような保育をするのかが保護者には伝わっていない。武蔵野市の保育ガイドラインを明確すべきではないか。そのさいには保護者も一緒に考える協働型にすべきではないか、と質問した。保育園について国が定めた基準はあるが、これは最低基準であり、武蔵野市の保育園として最低基準以上に行うことが明確になっていないからだ。答弁では、ガイドラインは職員向けにはあるので、保護者との協議方法などは検討し、一緒に作れるようにしたいとの答弁だった。
 
 今回の行政報告で子どもプランは一定の決着となった。今後の予算委員会で22年度予算が可決、成立となれば、4月から子どもプランは実際に動き出すことになる。

★子どもプランについて伝わっている情報が不正確なのは確かだ。複数の委員の質問にも、市民から問い合わせがあったが、確かな情報が伝わっていないとの発言があったほどだ。文教委員会で議決され決まる、保育士がいなくなる、公立が全部なくなる、財団に委託した後に民間に委託することを隠していると聞いているが本当か、との話を私も聞いている。どこからどのように何を目的にして伝わっているか分からないが、不確かな情報によって、保護者が正確な判断ができない事態になっていないか心配だ。
 また、多くの署名をしてくださった方々にどのように今回の結果を説明できるのかも心配だ。私も市長同様、運動を否定しないし敬意を表したい。保育を守りたい気持ちは私も同じだが、何を目指している運動なのか、未だに分からないのだ。

 この日の委員会では、共産党の市議から、公立園は残すべき、待機児対策は民間園で行えば良い、との発言があった。多くの民間園は経営気的に苦しい。武蔵野市独自の補助金を得ている武蔵野市の民間保育園でも同様だろう。そのような民間保育園を今のままにしておくだけでなく、さらに増やすことがいいことだろうか。非正規職員を増やしてまで守るべきか、いったい公立保育園の何を守るのか、と聞いていて思った。

 保育の質を守る、高めるには、保育士の安定雇用がまず必要だ。公務員並みの給料は出せないが、財団で正規雇用をして一般的な会社員程度の給料を保障するべきではないだろうか。この給料の差と民間園になることで得られる補助金を財源にして、民間園への補助、認可外(認証、保育ママ、一時保育など)への保育料支援や幼稚園への支援拡充をするのが運営主体の変更の大きな狙いであるはずだ。
 もちろん、プランはあくまでも計画。実行段階になれば、課題も出てくるだろう。理念とは異なった方向に流れてしまうかもしれない。コスト削減だけが進み子ども施策に反映されない、何よりも財団の保育士の給料がいくらになるかは不明確だ。理念で示したこととは逆になる危険性も残っている。このことをどのように防ぎ、どのようにより良くしていくかを行政、保護者、保育士も一緒に考えていくことが保育を守ることになるのでないだろうか。そのなかで公立保育園、公務員保育士が担う保育園は民間と何が違うのかも明確すべきだろう。今からでも遅くない。これだけの運動があったのだから、その想いを今後の活かすべきだと思う。

(※ 委員会の内容は、あくまでも私が記録したメモでのもの。正確には議事録が出てからご参照を)