公立保育園 運営主体の変更を検討から実施に         第三次子どもプラン(案) 1

 第三次子どもプラン(案)が示された。市民ヒアリングや推進協議会で指摘された事項などで修正がされている。なかでも注目されている公立保育園の運営主体の変更については、「検討を行うべきと考えます」から「行います」に。さらに、武蔵野市の財政出資団体である子ども協会を前提とし、今後は「段階的に行います」と変更することが明確になっていた。このままプランが確定すると、焦点はどの公立保育園を変更するのか。公立9園のうち、何園を変更するのかになる。
 また、議会でも指摘されていた、「マイ保育園」は「子育て支援センター」へと名称の変更され、あそべえと学童クラブについては、ほとんどが書き換えられえるほどの変更となっている。



 第三次子どもプラン(案)は、1月22日に開催された子どもプラン推進地域協議会で示されたもの。案は傍聴者にも配布された。
 案を見ると、中間報告から変更されていない箇所も多いが大幅に修正されていたり、加筆されている箇所も相当数あることが分る。

 そのなかでも特徴といえるのが公立保育園の運営主体の変更についてだ。「行います」と明確に方針を示している。内容は別としても、検討という言葉ばかりを並べ実施計画ではなく検討計画と思えてしまう武蔵野市の計画が多いことを考えると何をするのかが明確になっており好感が持てた。計画は実施するために作るのであって、検討するために計画を作るのではないからだ。

 運営主体の変更については、例えば以下のような訂正や加筆が行われている。
(変更箇所が多く、テキストで表記しにくいので中間報告と示された案をそれぞれ転記してみた)

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(中間報告)
■公立保育園をめぐる現状と課題
(中略)
公立と民間では児童1人当たりにかかるコストに依然大きな差があります。

  ↓

□公立と民間では児童1人当たりにかかるコストに依然大きな差があります。(以下を加筆)これは、公立と民間の職員給与の差によるものが最も大きなものですが、国の「三位一体改革」により平成16 年度から公立保育園に対する運営費の補助が廃止され、地方交付税として措置されたことによることも大きく影響しています。地方交付税不交付団体である武蔵野市は、公立保育園分で約2億円の保育所運営費補助金が削減されました。

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(中間報告)
■公立保育園の運営形態の見直し
 今後の子ども関係施策にかかる費用などを考慮して、現段階で計画性を持って公立保育園の運営形態の見直し(運営主体の変更)を行うべきと考えます。

  ↓

□今後の子ども関係施策にかかる費用などを考慮して、計画性を持って公立保育園の運営形態の見直し(運営主体の変更)を行います。

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(中間報告)
■公立保育園の運営形態の見直しを行う際の基本的な考え方
1.市の責務として、市内の認可保育園全体の保育の質の維持・向上を目指す。
2.保育士の安定雇用の保障と信頼される保育士の人材育成・確保に努める。
3.運営主体の変更により財源を生み出し、入所定員の拡大や新規施策などの子ども関係予算に充当する。

 ↓ 

□公立保育園の運営形態の見直しを行う際の基本的な考え方
1.市の責務として、市内の認可保育園全体の保育の質の維持・向上を目指す。
2.保育士の安定雇用の保障と信頼される保育士の人材育成・確保に努める。
3.運営主体の変更により効率的、効果的な経営を行い、生み出された財源については、市内保育施設の入所定員枠の拡大や新規施策などの子ども関係予算に充当する。

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(中間報告)
■一般的に公立保育園の民営化は、保育の継続性、保育の質の低下、保育士の入れ替わりが最大の問題と言われています。武蔵野市における公立保育園の運営主体の変更については、保育の質を維持し、子どもと保護者に不安を与えない手法について検討を行います。

・具体的には、以下の3点を条件とします。
① 保育士の大幅な入れ替えがなく、保育内容、保育体制を継続できること
② 経験豊かな保育士がバランスよく配置されていること
③ 市の関与が行えること

・一般公募により運営主体を選考した場合、一般の法人などで上記条件を満たすことは極めて困難と思われます。

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公立保育園の運営主体の変更を検討する際には、公立保育園の職員を派遣することや、現在の非常勤職員を正規職員として雇用することが可能な市の財政援助出資団体などを前提に検討を行います。
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・認可保育園の本来の役割に公民の差はないと考えています。ただし、これまで公立保育園が担ってきた役割、今後の保育制度の動向に留意しながら、運営主体を変更する保育園の数、具体的なスケジュールなどの詳細についての検討を進めます。
・また、個々の公立保育園の運営主体の変更の検討を行う際には、これまでどおり当該保育園関係者と十分な調整、意見交換を行います。

  ↓

□具体的には、以下の3点を条件とします。
① 保育士の大幅な入れ替えがなく、保育内容・保育実践、保育体制を継続できること
② 経験豊かな保育士がバランスよく配置されていること
③ 市の関与(市が経営・運営に関わること)が行えること

・一般公募により運営主体を選考した場合、一般の法人などで上記条件を満たすことは極めて困難と思われます。

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公立保育園の運営主体の変更は、公立保育園の職員を派遣することや、現在の非常勤職員を正規職員として雇用することも可能な市の財政援助出資団体である「武蔵野市子ども協会」を前提に行います。
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・今後は、これまで公立保育園が担ってきた役割や意義等を勘案し、残すべき公立保育園の園数を考慮の上で、段階的に運営主体の変更を行います。
・また、個々の公立保育園の運営主体の変更を行う際には、これまでどおり当該保育園関係者と十分な調整、意見交換を行います。

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 保育園関係で他にいくつかあるが、注目したいポイントは上記だろう。説明不足を補っていることが分ると思う。協議会では、このことについての異論はなかった。
 

★この修正だけではなく、武蔵野市保育の質の向上のための取組(アクションプログラム)の項目に「認可保育園の職員配置について、保育の質の向上を目指し、市独自基準を検討(見直し)します」と加筆されていたことにも注目したい。

 ほんの一言で具体的なことは記載されていないので内容は分らないのだが、武蔵野市独自の基準を作ろうというものだと思う。このことは、実は運営主体など制度を考えること以上に大きなことではないかと思った。
 国の制度がどうなるか分らない今、財政難から決して良くならないと思うが、国の基準よりも武蔵野市として上乗せできるような基準を作るというのであれば歓迎したい。かつての公立保育園改革で市が独自に加配していた保育士の数は減っている。質の向上を考えれば元に戻すことができるかもしれないからだ。
 また、石原都政下で民間保育園の補助(B経費)が削られている。これは公と民との差を少なくするために都が国の補助金に上乗せしてい独自の補助金だったものだ。武蔵野市の場合は、この補助金がなくなっても市として独自補助を民間保育園に続けている経緯がある。このような独自施策を今後も行うのかがこの項目で問われるとも思った。

 保育園の“民間”委託についていろいろな意見があるが、民間が良い悪いよりも何を守るべきか、何を保育としなくてはならないか理念と理念を実現するための施策は何が必要なのかを今だからこそ考え、確立するべきではないだろうか。制度は、そのための道具としてあるのであって、制度のために保育があるのではない。
 何よりも、今回のこのプランで示されているのは、営利企業への委託ではなく、市が関与すると言い切っているのだから民間委託と考えてしまうことで一番大事なことが置き去られてしまわないか心配している。特に行政は全てを満足させることは困難だ。最善に何がもっとも近いのかを考えるべきだ。制度を守る、今までと同じでいい。財政は関係ない、予算をもっと欲しいと思っていると、国鉄やJALの二の舞になることは多いはずだ。

(学童については別に書きます。つづく)

【参考】
「第三次子どもプラン武蔵野」中間報告及び同概要版