学童クラブ夜7時まで… 前進だがそもそもの問題は未解決

 1月7日の読売新聞に『東京都は2010年度に、放課後の小学児童を夜まで受け入れる東京版の学童クラブを創設することを決めた』との記事が掲載されている。
 武蔵野市も含め、多くの学童クラブは午後6時までの開所が多い。しかし、午後6時に帰宅できるような保護者は少なく、より遅くまでの開所が求められていること、そして、少子化への都独自の対策なのだそうだ。
 独自策を考えていることは歓迎したいが、課題は他にもある。

 記事によれば、『都内には09年5月の時点で、全国最多の1549か所の学童クラブがあるが、午後7時以降も受け入れている施設は224か所(14・4%)で、1237か所(79・8%)が午後6時までに終了している。
 都が子育て中の約1300世帯を対象に実施した07年度調査でも、44・2%の世帯が午後7時以降の利用を望んだのに対し、実際に利用できていたのは8・6%に過ぎなかった』
 そのため、午後7時以降まで開所する学童クラブへ『国などの補助金を除く運営費について、区市町村とともに最大2分の1負担する考え』としている。

 現状を考えれば、評価できることだと思う。しかし、午後7時以降も開所した場合、子どもはどうやって帰宅するかの問題がおきてしまう。
 武蔵野市の学童クラブは、子どもだけで帰宅することになっているため、たとえば午後8時まで開所したとして、子どもだけで帰宅させるのか、となるからだ。
 他の自治体では、保育園と同じように学童クラブへのお迎えをしているところもある。もし、午後7時以降も開所するもであれば、保護者にお迎えをしてもらうのかを考えなくてはならないだろう。
 
 かつて、武蔵野市の学童クラブが午後5時から午後6時まで開所時間が延長されたのだが、その時は午後5時で帰宅する子どものほうが多かったことがある。これは、延長されたものの、保護者が午後6時までに帰宅することが難しいため、暗闇のなかで帰宅するよりも明るいうちに帰宅して家でテレビを見ながらでも保護者の帰宅を待っていたほうが安心できるから、という思いからだと思う。
 そもそも、学童クラブが楽しければ、子どもは午後6時まで居たがるもの。早く子どもが帰宅したがるのはクラブの内容、魅力に問題があるとの大きな課題もあるのだが、このことは別の機会にしたい。
 
 つまり、保護者の帰宅まで待つのであれば、午後6時では中途半端であり、最低でも保育園でも同じ午後7時以降というのは以前から求められていた。その意味では評価できることだが、保護者はその代わりに、お迎えをするのかどうか考えなくてはならないはずだ。
 このことは、保護者が解決することだが、都独自加算をするにしても、いったいいくらなのか、といことが明確ではないので、現状では手放しで喜ぶわけにはいかない。そもそも論で言えば、国や都が学童クラブ(放課後児童健全育成事業)運営費へ補助金を出しているが、十分ではまったくない、何も解決されていないことのほうが大きな問題だと思うからだ。
 
 学童クラブへの補助金は、国、都、市町村がそれぞれ三分の1を出すという仕組みになっているのだが、問題とは、補助金を出す算定根拠となる運営費を年間242万6000円(国の21年度予算。クラブ定員36~70人、年間250日開所の場合)としか考えていないことだ。
 三分の1とは、年間一クラブに約72万円。国はこれしか出さないということだ。そもそも年間約240万円では、月にすれば約20万円。これではクラブの家賃も払えないだろうし、公設で家賃が必要でないとしても。複数の指導員を雇用し事業を行うこと考えれば、この額で運営できるはずがない。育成料(保育料)を保護者が払うとしても限度があることを考えれば、算定根拠自体が低すぎる問題に未だ手が付いていないのだ。
 
 午後7時以降への補助金よりも、そもそもの算定根拠額を増やすことが先ではないかと思う。それでも、国の補助金は微増しており22年度予算案でも減らされていないことは評価すべきことだと思うが、少子化が大きな課題だと認識しているなら、このようなことも国家戦略として考えるべきだと思う。都の戦略としても重要だ。

 この記事について詳細を都に確認をしたところ、知事査定もまだなので確定はしていないとしていた。文句は書いたが前進であることは確か。オリンピックよりも優先順位はかなり上だと思うのだが、どうなるのだろうか。そもそもから考えるべきだ。