図書館海援隊

 公立図書館が、貧困・困窮者に対する支援を開始したと文部科学省が公表した。課題解決支援サービスのひとつとして実施するもの。サービスの名称は「図書館海援隊」だ。

 文科省のサイトによると、政府が行っている貧困・困窮者などに対する雇用、住居、生活支援に関するワンストップサービスなどの施策に加えて、従来より一部の公立図書館で行っているビジネス支援や解決支援サービスをハローワークなどの関係部局と連携することで貧困・困窮者などへより役立つ支援にすることが趣旨。


 具体的には、
・労働・生活に関するトラブル解決に役立つ図書などの紹介・提供や相談会の開催
・心の問題に関する図書等の照会・提供や相談会、講演会などの開催
・自己啓発、技術・資格・就職に関する図書などの照会や提供
・行政の支援制度に関する資料などの提供、説明会・セミナーの開催
 としている。

 サービスを実施する公共図書館は、有志の図書館で全国で以下の7館(22年1月5日現在)だ。

北海道立図書館
秋田県立図書館
東京都立中央図書館
神奈川県立図書館
大阪市立中央図書館
鳥取県立図書館
福岡県小郡市立図書館

★ビジネス支援として有名なのがニューヨーク公共図書館だろう。この図書館の資料を元にゼロックスのコピー機やポラロイドカメラが考えられ、パンアメリカン航空による世界初の太平洋路線の開設されたことなどは有名な話だ。ビジネス支援は、ベストセラーを並べて貸し出し数だけに注目するだけではなく、必要な情報として資料を提供し市民の自立を促したり起業支援となることで、結果的に、俗に言えば、税金を生み出すことで社会に還元することにもなる公共図書館の新たな重要なサービスだと思う。
 そう考えると、ビジネス、仕事を必要としている人への課題解決として情報を提供することは当然のことだ。残念なことは、全国で七館しか参加していないこと。未だに“無料の貸本屋”のような公共図書館が多いということだろうか。今後は、もっと増えると期待したい。
 
 ビジネス支援や課題解決型(レファレンス重視)サービスの重視は、これからの公共図書館に求められるもの。武蔵野市の図書館も同じ方向へ向かっている。そういえば、来年に開館する武蔵野プレイスでも、ビジネス支援という言葉がよく聞かれていたが最近では聞かれなくなった。これは気になる。この課題解決も必要かも。

【参考】
ビジネス支援図書館推進協議会
独立行政法人 経済産業研究所 経済産業ジャーナル
  もう1つの創業支援ー『ビジネス支援図書館』とは
 
 ニューヨーク公共図書館については、『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― 』(菅谷明子/岩波新書) が詳しい。

未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)
未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書)