財団法人子ども協会設立へ 保育園、学童も視野に

 12月14日の市議会文教委員会で、財団法人子ども協会を22年2月に設立するとの行政報告があった。現在の子ども協会は、乳幼児施設である0123の運営を行っているが任意団体だった。今後、市立境幼稚園を解消した後に開設する認定こども園「境こども園」(仮称)などの運営を行う予定。委員会で質問をしたところ、将来的には保育園や学童クラブ、あそべぇ(全児童対策事業)も視野にあるとの答弁もあった。


 財団法人とするのは、『武蔵野市全市域の子ども育成活動全般を横断的・効率的・包括的に支える機関として強化し、市の長期計画や子どもプランの実現に向けて、活力ある地域社会の形成に寄与させるため』(議会への配布資料より)としている。

 配布された資料によれば、概要は下記。

[1]目的
(1)安心して子どもを生み育てることができる環境づくりの実施
(2)育児などにおける子育て支援の実施
(3)地域と協働した子育てや子どもの育成活動の促進

[2]事業
(1)子育ての支援事業の企画・実施及び子育てに関する調査研究、情報提供
(2)子どもの育成活動の企画・実施及びそれに関する調査研究、情報提供
(3)児童福祉法などに定める施設の設置・経営及び事業の実施
(4)武蔵野市などから受託する施設の管理運営及び実務などの実施
(5)その他、当法人の目的を達成するために必用な事業

[3]組織など
 財団の組織編制については、公益法人改革により変わった執行体制とする。

 具体的には、市が理事長を指定するのではなく、財団法人の評議員会が実際の運営を担う理事長を決定し、理事のなかから理事長を決める。同時に監事も評議員会が決定するというもの。

[4]今後のスケジュール
 一般財団法人武蔵野市子ども協会設立準備委員会の答申に基づき、今度、定款の作成、設立時評議員、理事などの人選などを行い、平成22年1月に設立時評議員会及び設立時理事会を開催する。その後、平成22年2月1日に登記手続きをし、一般財団法人を設立する。現在の任意団体の武蔵野市子ども協会は、平成22年3月31日をもって解散する。

 ■財団法人とした理由 将来は保育園、学童も視野

 上記の説明があった後、いくつか質問をしてみた。以下は要点をまとめてみたもの(正式には議事録を参照のこと)

Q:なぜ財団法人としたのか。社会福祉法人の選択肢もあったのではないか。今回は設立が容易な一般財団法人とのことだが将来的には税制が有利な公益財団法人を目指しているのか?

A:財産もないため、まずは一般財団として設立した後、公益財団法人か社会福祉法人を目指すかを検討する。措置形の福祉事業以外も事業を想定しているので、社会福祉法人よりも公益法人が目指すべき方向ではないか。

Q:評議員会には保護者など子育て中の当事者を入れるべきではないか?
A:評議員会、理事会に入れるかどうかは今後の検討課題だが、事業者との意見交換ができるようにするなど何らかの方法は考えたい。

Q:児童福祉法などによる事業も法人の事業として想定されているが、将来的には保育園や学童クラブも可能性があるのか?

A:保育園、学童クラブ、あそべぇ、児童館も将来的な視野にある。

 パブコメが実施されていた第三次子どもプラン中間報告では、『現段階で計画性を持って公立保育園の運営形態の見直し(運営主体の変更)を行うべきと考えます』と記載されているが、今回のこの報告で運営主体とは新たに設置されるこの子ども協会を市は想定されていることが明確になった。
 また、中間報告には、『あそべえと学童クラブの一体的な運営の研究』と記載されているが、財団法人子ども協会がその運営の対象であることも明確になった。
 

 ■財団法人は保育園と児童館

 子ども協会に法人格を持たせることは、一般質問などで提案してきたこともあり今回の設立は評価できるものだ。
 保育園も学童クラブも、そもそもは保育であることを考えれば、同じ団体で事業を行うことは適切だと思う。あそべぇや児童館もとなると、範囲が広がりすぎるようにも思えるが、児童館事業もそもそもは児童福祉法に基づく事業だ。あそべぇの事業を拡充するには専門知識を持った人材を今以上に配置すべきと考えれば、納得できるものだ。人材の交流により、武蔵野市の子育て環境はよりよくなると思う。新たな施設を作るわけではないが、児童館機能を拡充し保育園とも連携する総合的な子ども施策を担う組織と考えればいいのだろう。

 行政報告では、財団職員の給与について質問があったが、他の市の財団や現在の子ども協会職員と同様に都の給与表を元した体系を考えているとの答弁があった。都の給与表は、簡単に考えれば今の市職員の8割程度の給与だ(実際の都職員は、手当てなどで給与表よりも高い)。市の職員のような給与ではないが、官製ワーキングプアとも指摘されているような給与ではなく生活ができるレベルということだろう。

 
 ■“お任せ子育て”

 今回も提案したことだが、市が出資する財団法人となると安定した基盤になるのは良いのだが、保護者が財団法人や市への“お任せ子育て”意識にならないか、との疑問を私は持っている。そのため、保育内容について保護者も関心を持ち決定する責任も考えるように、評議員に加わるべきだと思う。
 なぜなら、保育園も学童も保護者の“都合”によって、子どもの保育や生活の場が必要になるのであって子どもの“都合”ではなく、子どもが望んだのでもない。そう考えれば、保護者が保育や生活の場に関心と責任を持つべきだと思うからだ。
 保育園も学童も行政が始めたのではなく、保護者が必要と考え実現してきたものだ。行政まかせ、施設まかせの子育てであってはならないはずだ。

 今後の具体的なスケジュールは明確ではなく、財団法人がどこまで行うのか確定したのではないが、市としては、公立保育園(何園かは未確定)、学童クラブ、あそべぇ、児童館を財団法人子ども協会の事業と考えていることを表明したことになる。
 財団法人の設立時の当初財産は市が出資する300万円(21年度予算に算定されている)。その後、拡充される予定だ。保護者がどう考えるかも注目だ。