武蔵野市でも増えている生活保護 「無保険の子」は?

seikatuhogo
 不況の影響から、各自治体で生活保護費への支出が急増していると報道されている。武蔵野市では補正予算での対応はなかったが、決算特別委員会で請求した資料によれば、武蔵野市や周辺自治体でも生活保護世帯が増加していることが分かった。同時に国民健康保険保険料の滞納も増えている。
 そして、国民健康保険料を滞納することで保険証が交付されず、「無保険の子」の問題も起きている。武蔵野市の場合はどうなのか。


資料の上はは、武蔵野市、三鷹市、小金井市、西東京市、杉並区の生活保護受給世帯を17年度から21年度10月までを集計したもの。
 この表を見れば、周辺自治体も含めて20年度から急増していることが分かる。生活保護を受給しないまでも生活が苦しくなっている人は多いはずだ。

 同じく請求したのが、国民健康保険の滞納数と短期被保険者証の変化だ。ここでも20年度から一気に増えている。理由をみると失業による休業中、経営不振による減収などで不況が色濃く影響していることがよく分かる。

 国民健康保険は、保険料を長期間滞納すると保険証の新規交付がされなくなったり、保険証を返納しなくてはならない。保険証がないことで医療機関にかかれない(実費なら可能だが)人が増え、特に子どもが医療機関にかかれないという「無保険の子」が毎日新聞の報道などで広く知られ問題となっていた。
「無保険の子」は、学校で子どもが保健室に湿布をもらいにきたことから保険証がなく医療機関にかかれない子どもが数多くいることを毎日新聞が調べたことから国民健康保険法の改正につながり21年4月からは子どもへは保険証が交付できるようになっているが、滞納をとがめられることをいやがり、役所に出向かない人も多い。茨城県が調査したところ、県内で無保険状態になっている中学生以下の子供が2009年10月末現在で27市町に2086人もいることが分かっているほどだ。

 このこともあり武蔵野市で「無保険の子」がいる可能性がないかを決算委員会で確認をしてみた。
 答弁は、確認はできないというもの。確認ができないというと、調査もしていないのかと早合点しやすいが、そうではない。滞納で保険証を交付できなくなっても、無保険にならないように窓口で対応していたからだ。

kokuhotainou

 保険証が切れたり、返納の必要性が出てくると、市は被保険者と相談により、本来の期間よりも短い期間(6ヶ月~1年)だけに使える「短期被保険者証」を発行することで、無保険状態にならないようにしている。ここまでは他の自治体と同じだが、他の自治体ではさらに保険料を滞納してしまうと「短期被保険者証」の期限が切れることになり、「資格証明書」へ切り替えとなる。これは、医療機関にかかった場合は医療費をいったん全額負担した後で清算しなおすというもの。だが、医療費の全額を払えるようなら保険料を払えるとも言えるのだから、資格証明証はほとんど意味がないとも言えるだろう。
 「短期被保険者証」が切れたまま、あるいは、「資格証明証」になった数を調べようと資料請求をしたのだが、武蔵野市では、無保険状態を防ぐためになるべく「短期被保険者証」を継続させようとしているため、「資格証明証」の発行実績はなく、そのために「無保険の子」はおそらくないと考えられるというのが答弁の内容だった。

 保険料は払うことが大原則だが、経済不況など事情は人により異なる。国民健康保険は前年度の所得で保険料が決まることもあり、解雇されたり倒産となれば保険料は払えなくなる。さらに、会社に勤められなくなったり、退職した場合は国民健康保険が最後の砦の保険になる。いわばセーフティネットだ。誰のための市政かと考えると、市のこの考え方は評価したい。

 自治体として不況対策へ何ができるか。私自身も明確な答えを持っていないが現実を分かることは何よりも重要であり、これらの数字は重いと思う。まずは困っている人に対応すること。市政の基本だ。

【参考】
毎日新聞 「無保険の子」キャンペーン報道
武蔵野市 国民健康保険税の納税について