保育園での死亡事例  厚労省が公表

 新聞でも報道されているが、各自治体からの報告を取りまとめた保育施設における死亡事例を厚生労働省が発表した。
 資料を見ると認可保育園(保育所)で19件、認可外施設で30件と認可外が多いことが分かる。保育園で子どもが亡くなってしまうことは、あってはならないことだが、事例を分析して、未然に防ぐことも重要だろう。対策はこれからだと思うが、保育士の配置数が関係していないかが気になる。



 厚生労働省の報道発表資料による結果数値は次のようになっている。

●結果
・過去6年間(平成16年4月~平成21年11月)の死亡事例は、
   認可保育所   19件(園内13件、園庭2件、園外4件)
   認可外保育施設 30件(園内28件、園外2件)

・年齢は、認可保育所は0歳児、1歳児、2歳児が一番多く共に21.1%、認可外保育施設は0歳児が一番多く57.6%。

・園外における事故の主な発生場所は、河川敷(認可)、プール(認可)、車内(認可外)、道路(認可外)。

●具体例
 (認可保育所)
  ・廊下に置いてあった本棚の中で熱中症で死亡
  ・園庭で育てていたプチトマトを食べ窒息死
  ・河川敷、プールで園外活動中溺死
  ・帰宅中に川の増水により溺死
  ・園舎屋根からの落雪により園外活動中死亡
  ・午睡中等の死亡(SIDS、SIDSの疑い、病死、原因不明)
 (認可外保育施設)
  ・浴室で溺死
  ・園外活動から帰園後の車内で熱中症で死亡
  ・園外保育中の交通事故により死亡
  ・午睡中の死亡(SIDS、SIDSの疑い、病死、原因不明)

●専門家のコメント
 田中哲郎長野県立こども病院副院長のコメントが同時に発表されたが、下記のことには注目したい。武蔵野市の今後の保育をどうすればいいか、よいヒントだと思う。

○認可外保育施設の事例の中には、保育体制の不備や観察不足があったと考えられ、認可保育所よりも事故の発症率が高い。
○認可保育所がこれほど増えていることや、子どもの育ちに様々な課題がある中、死亡件数は増えておらず、保育所が事故防止に努めていることがわかる。

 認可保育所は、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士数、給食設備、防災管理など)が決められている。この基準を緩和する動きには注意すべきだろう。武蔵野市では第三次子どもプランに記載された新たな運営主体への委託が波紋を広げているが、委託だけが問題ではなく、どのような環境がいいのか。設置基準も含めて考えるほうが先ではないかと思う。
 この設置基準は守ればいいのではなく、子どもにためにはこの基準は最低基準だと考え、より充実させること。子どもの環境に“格差”があってならないのだから、公も民も認可外も同じにするにはどうすれば良いのか。将来的な財源も含めて考えることが最優先だと思う。委託はツールであって、目的ではないのだ。
 

【参考】
厚生労働省報道発表資料