保育園の規制緩和 コンクリートから人で考えるべき

保育所(保育園)の整備基準を大都市に限って緩和する方針が出された。待機児対策を考えれば、一歩前進、何もしないよりかは良いと思う。しかし、もっと肝心なことに気がついているのだろうか。


 新聞報道によれば、園児一人当たりの最低面積や面積の基準を緩和して保育園を建てやすくするとしている。しかし、保育所を新設するさいに課題になるのは、建設費よりも運営費なのだ。

 保育園に限ったことではないが、建設すればそれでおしまいではなく、運営費がその後にかかる。保育園などはハコがあればいいのではなく、保育士がいなければ何にもならない。条件を緩和してもどれだけ対策になるのだろうか。財政の余裕がある、首長が理念を持ってつくるという自治体なら活かせると思うが、どれだけの効果があるのだろうか。
 人件費を将来にわたって国を支援する、というよりも子育て支援に国は本気であり、その本質は人だとの考えと予算を示すべきだ。

 学校の余裕教室を使う。商店街の空き店舗を使う。必用のない公共施設を使う。高齢者施設と複合で作る。ビルのテナントとして入るなど各地で工夫しすでに保育園や保育所(認可外)は作られている。工夫次第でハコは何とかすることはできるが、そこで働く保育士の給与の工面が難しく、つくることに躊躇する。あるいは、つくっても生活できる給与を払えない、持続して経営ができないというのが公設公営以外の保育園の大きな問題なのだ。

 さらに、多くの待機児の受け皿となっている認証や認可外の保育所には国からの補助金はない。認可外には国としての基準外なのが理由だが、現実的にはすでに規制緩和されていることになる。ここでの保育料は国からの補助金がないため、自治体の補助はあるにせよ高額であること。
 また、働く人たちが、どれだけの給与を得ているのか知っていてのことなのだろうか。認可保育園どころではないのだ。とりあえず預ければいいのではなく、こどもの将来も含めての環境は、どうあるべきかをまず考えることが重要だ。

 コンクリートから人へは民主党の大きな政策の柱。保育園建設だけでなく、その後の人のこと、保育料やこどもの環境の質に直結する保育士の生活や保育園の環境も考えるべきだ。
 待機児対策を行うことは歓迎するし、緊急対策としては評価すべきだと思うが、規制緩和して作ればいいのではないということが分っているのかと疑問に思った。詳細は今後になると思うが、待機児対策でも「生活を第一」に考えてもらいたい。