図書館の専門職育成をどうする

10月14日に開かれた書館基本計画策定委員会を傍聴した。
今回は、中間報告の基本方針などが話し合われていた。図書館の将来像について、従来の“無料の貸本屋”からの脱却をめざすことなど期待できることが多く書かれていたが、武蔵野市の図書館についての課題も同時に示されていた。


 今回の議論のたたき台となる資料の文案に書かれていた基本方針には、

『これまでの図書館は、いわゆる貸出サービスを中心とした取組が主となってきました。その結果として、他のサービスが疎かになり、図書館本来の機能を十分果たせなくなっていました。
 貸出サービスがこれからも必要であることは変わりませんが、図書館がより市民や利用者にとって役に立つ機関であるためには、図書館の持つ多様な情報を活用して、市民の課題解決を支援するとともに、生涯学習に役立つ多様な情報提供を行っていくことが求められています。
 本計画では、市民活動が活発であるといった本市の特色や、本市が有する様々な地域資源の存在を踏まえて、図書館の「力」や図書館資料の持つ「力」を引き出す方策について検討を進め、武蔵野市立図書館の将来像を設定しました』

 と書かれていた。

 これまで何回もこのブログで書き、議会でも指摘してきたことだが、図書館が“無料の貸本屋”であってはならない。過去には必要だった時代もあったが、これからは、新たな役目を担いそのための戦略的な機関になるべきだ。ここに書かれているように、「市民に役立つ」「市民の問題解決を支援」「多様な情報提供」を担うことはとても良いことだ。具体的な内容はまだ分らないとしても、この方針は武蔵野市の図書館がバージョンアップすることへつながることになり期待が持てると思った。

 しかし、前回の委員会でも指摘されていたことだが、その機関を担う最も重要な人材については下記のように記されており不明瞭な状態だ。

『職員の人材育成 
 武蔵野市立図書館では、昭和60年代に司書資格保有を条件として職員を採用して以来、正規職員は市の一般事務職員が定期人事異動により配置されており、非常勤職員についても資格や実務経験にかかわらず採用しています。そのため、レファレンス研修等の内部研修と、都立図書館が実施する各種研修への参加や大学への司書講習の受講等により人材育成に努めています。
 しかしながら、収集する資料の選定やレファレンス・サービス等の図書館サービスの提供には、高度な専門的能力が求められ、質の高い図書館サービスを維持していくためにも、様々な実務経験を積んだ図書館運営の中核を担う質の高い人材を育成することが必要不可欠です。
 こうしたことから、専門性の高い職員を育成するため正規や嘱託を対象とした必用な研修の体系化や経験年数に応じた受講体制の構築などを行うなど長期的な視点に立った人材育成計画を策定し、高度化、多様化する利用者ニーズにも対応しうる体制を構築します』

 この文章だと今の図書館がいいのか課題があるのか良く分らない。何か言いたいけれど言えないよな的なあいまいさだ。
 そこで、勝手に解釈してしうと次にようになるのでないだろうか。

「かつては図書館の専門職員を採用したが、60年代以降は採用していない。現状は、一般事務で採用した職員が定期的な異動で図書館に配属されている。これは、図書館の仕事を覚え始めたら異動してしまうことでもある。さらに、非常勤職員であっても専門性を問わず採用している。研修などでスキルアップに努力しているが、今以上の質の高い図書館にするには、長期的な視野にたった人材育成計画、すなわち専門職員を採用することや育てることが必要だ」

 ということではないだろうか。

 個人的な希望的観測も含めているが、長期間勤められる、つまりは正規の専門職員がいないと今以上に質を上げることが難しいぞ、ということだと思う。

 ではどうするかだが、具体的な方策はここでは示されていない。踏み込んで欲しいとは思う反面、これは基本計画であり,採用や育成計画は守備範囲外であるとも理解はしている。なんだか、消化不良でることは確かだ。

 これまでの議論や計画案は、全体に良い方向であり、図書館を良くしていこうとの熱意を感じることを思えば、人材に投資をすべきであり最も必要な要素であることをもっと主張してもいいと思う。
 次回には中間報告案が示され、さらに内容は精査されていくと思う。人材についてどう記されるのか注目したい。

【参考】
武蔵野市立図書館 図書館基本計画策定委員会