ブラジルの保育園ドキュメントで考えた

 ブラジルに移住しているドキュメンタリー作家、岡村淳さんの作品の上映会が、水戸にある友人の店であったので出かけてきた。作品を鑑賞させていただき、岡村さんとも話をさせていただいた。
 当日は、アマゾンの古代遺跡をテーマにした作品とブラジルの保育園を舞台にした作品を鑑賞したのだが、懐かしきブラジル風景に感傷的になっただけではなく、そもそもの保育園とは何かを考えさせられてしまった。


 岡村さんは、日本テレビ系の制作会社、日本映像記録センターに入社後、「すばらしい世界旅行」などの制作に携わりフリーランスに。その後、ブラジルに移住し記録映像作家としてブラジルの日本人移民や社会・環境問題をテーマとした作品を制作されている。日本にも戻ることが多く、各地で上映会などを開催している。

 この日は上映会というほど大それたものではないが、以前、ブラジルの日系人の入植地で日本語教師をしたいた友人が店主として「にのまえ」という手打ちのそば屋を開いており、ブラジル料理とワインを飲みながら作品を鑑賞しようというのででかけきたものだ。私は、ザックを担いでこの店主のいた日本語学校を含め、一ヶ月ほどブラジルを旅したことがある。

 
 岡村さんの作品には、アマゾンをテーマにした作品を始め、多くのジャンルがある。この日には、世界的にはほとんど知られていないアマゾンの古代遺跡をテーマにした作品と「あもーる あもれいら」というブラジルの田舎町、アモレイラにある主に貧困層のこどもたちを対象とした保育園を舞台にした作品が上映されていた。
 
「あもーる あもれいら」は、現在の制作中で第一部と第二部が完成しており、このに鑑賞させていただいたのは第一部。結論というところまでストーリーは進行していないのだが、貧困、や暴力、失業、アルコール中毒、麻薬中毒など社会的背景がこどもの世界に陰を落としている様子には考えさせられることが多かった。

 ブラジルという外国だから、貧困家庭が多い地域だからなど日本とは条件が異なる要素は多いのだが、程度や質的な差はあるにしても、大人の社会がこどもには大きく影響していることは同じだ。そのこどもにどれだけ真剣に向き合える保育士など大人が必要であり、こどもの成長の大きく関係してくること。その向き合えることができ、こどもの成長に関われる“大人”を日本の社会、武蔵野市も含めてだが、担保できているのだろうか、と考えてしまったのだ。
  
 岡村さんの狙いとは違うとは思うが、本質的なことは同じなのだと思う。どこに住もうとこどもは同じ。大人の影響を受ける。ならば大人がそこのことを考えて、より良い環境を作ることが責任。それができているのかだろうか。

 作品のなかで、選挙があり保育園の送迎バスを改善することを公約にしていた市長が当選したので、保育園の送迎バスが豪華なバスになった。しかし、こどもが乗ると汚すので、元のオンボロバスに戻ってしまったというシーンがあった。笑ってしまうシーンだが、大人の影響、特に政治の影響も強く受けるということだ。

 日本で保育園といえば待機児対策が緊急的に行うべきことだが、安易に作るだけでは、本当にこどものためにはならないのだと思う。単純に言えば、運営にはお金が必要であり、予算配分を増やさないことには、こどもの環境には良くならない(予算だけも意味はないが)。 
 9月議会では「私立幼稚園入園を望む家庭への支援拡充に関する陳情」が全会一致で採択された。「私立幼稚園への学費補助を増を求める陳情採択」でも書いたことだが、注意をしておこないと、こども事業同士の予算の取り合いになる危険性もある。

 ブラジルという異国の保育園のドキュメントから日本のことを考えてしまった。
 でも、小綺麗な豪華バスよりもオンボロバス(ブラジル製のフォルクスワーゲン・バン。たぶんT2)に乗っている方がこどもたちの笑顔には似合っているように思えた。外見よりも生活に根付いた道具のほうがしっくりするのは、私の個人的な感覚かもしれないが。

 「あもーる あもれいら」の次回作が待ち遠しいし岡村さんのほかの作品ももっと見てみたい。

【参考】
「岡村淳のオフレコ日記」