待機児はさらに増えて、92名に 必要なのは「真の公立保育園改革」

 一般質問が3日に終わった。詳しい内容は、議事録、もしくは、ネット中継の録画をご覧いただきたいが(8日あたりから開始)、私の一般質問では、いくつか気になる答弁があった。
 そのひとつは、保育園の待機児数が7月の段階からさらに増えて、92名(8月1日現在)となっていたことだ。さらに、旧基準で見ると、215名もの待機児がいることも分った。
 公立保育園の役割を明確にすることには市長も前向きだったが、「お泊り保育」が実施できない理由は、納得できないものだった。公立保育園の存在意義も考え直す時期ではないだろうか。



 保育園への待機児数は、認可保育園を希望していても入園できず認証保育所などに入園した子どもの数はカウントしていない(新基準)。これにたいして、以前は、認可保育園に入れなかったかった数を待機児数としていたことから旧基準と呼んでいる。

 認証保育所は、国の基準を緩和した東京都独自の施設だが、国からの補助がないため、保育料は認可保育所に比べて高額になる。そもそも、保育園に入園が可能なのは保護者が仕事をしているなどで「保育に欠ける」状態の子どもだけ。つまり、同じ「保育に欠ける」子どもなのに、施設や保育料が異なってしまうのはおかしなことだ。
 保育園を設置する義務は、市町村にあるのだから、原則として考えておくことは、この旧基準の数に対応できる保育園を設置することだと思う。当然ながら、費用がを考えるとなかなか実現はできないが、理想としては掲げておくべき数値だ。

 今回の一般質問で市長は、待機児ゼロを目指したい、今後も認証保育所の誘致を考えていると答弁した。これは評価できるが、どの数値まで対応できるかは、まだ分らない状態だ。
 武蔵野市で今年末に新規の認可保育園が開設されるが、これは、1978年に市立境南第二保育園と私立ふじの実保育園が開設されて以来、実に31年ぶりとなる。前市政は、なにやっていたのかという事実だろう。
 12月1日に新認可保育園「精華第二保育園」が開園するが、待機児は減る見込みはない。さらに必用だ。

 今回の質問では、公立園では「お泊り保育」がなぜ実施できていないのも質問してみた。

 武蔵野市の公立園でのお泊り保育は、1978年から始まっているが、その後、前市長に変わったことで、それまで園の布団を貸すなどの協力がなくなった行事だ。それでも、私の子どもが公立保育園に通っていた頃(10~16年前頃)は、父母会主催の行事として行われ、保育士はボランティアで参加していたのだが、これもその後、市から保育士は参加しないように指導があり、現在では保育士が参加しなくなってしまった。父母会活動へ市の非協力姿勢が明確な事例でもある。

 昔話をしても仕方がないが、時代は変わり、市長も変わった。協働の時代といわれ、市長も協働の市政を目指しているという。協働とは、市民と行政が対等に事業を行うことと考えれば、お泊り保育のように、市民が子どものために必要と考えている事業、行事に市が協力する、支援する、あるいは、市として率先して実施すべきだ。それが、協働ではないか? 市民の前に一歩でなさいとしている市長のもとで、協働事業ができないのもおかしな話だ。

 お泊り保育には、保護者として何年もかかわってきた。子どもによっても、保護者にとっても、保育園にとっても必要だと実感しており、行うべきとだと思っている。お泊り保育自体の是非は別として、今後、市民である父母会、あるいは保育士が実施したいと提案してきた場合、事務的に解決することはあるにしても、市民との協働を進める市として拒む理由はまったくないはずだ、と市長に質問をしてみた。

 答弁で、お泊り保育の意義については市長も認めていた。だが、実施については現場の保育士からは要望はないのだという。
 詳細は質問時間が限られていることもあり、なぜなのかの理由は明確にならなかったが、市内の民間園では実施しており、民間幼稚園でも実施している。小金井市など他の自治体の公立園でも実施しているのに、武蔵野市の公立園で実施していないのは、どう考えてもおかしなことだ。同様に民間では、障がい児を1歳から受け入れているが、公立は2歳児からだ。

 何より、公立園には公費を投入している割には、公費の投入が少ない民間園に比べて、保護者の満足度が低いという報告も出ている。公立園はコストがかかりすぎだから民間委託、民にできることは民に、との世の中の流れのなかで、民間にできていて公立園でできないのは、公立園の存在意義が薄れてしまう。必要なのか、と。

 今回の一般質問では、公だからできることを明確にすべきとの主張をした。答弁では、市長も同意見だったと思う。しかし、現実には民間にできていることが公立園でできていない。非正規職員(嘱託、臨時)を増やすことでコストを下げた公立保育園改革が行われたが、真の意味での公立保育園改革が必要だと思った。たんに子ども預かっているだけなら、コスト比較では民間と競えないのだ。

 障がい児については、来年度から1歳児まで広げたい(保護者の就労など条件によるが)との前向きな方向が答弁ではあったが、待機児対策をより進めることは費用がかかることでもあり、武蔵野市全体の保育を考え直すことにもなる。非正規職員に頼った公立園で担うのか。コスト重視の民間か。それとも、第三の道があるか。大きな転換期であることは確かだ。