富士登山ブームに想う

富士登山がブームだ。その一方で、安易に考えて登ってしまう人が多いのでないかと思う。遭難は複合的な原因で発生するもので、絶対的な安全はないもの。可能な準備、装備を整えておくことは当然と思うが、実際にはそうでもない。昨年、富士山を登ってきたが、レジャーランド化している状況に驚かされたからだ。

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 富士山の頂上まで登ったのは、久しぶり。山の姿は大きく変わったようには思わなかったが、登山者の多さには驚かされた。しかも、登山といえば中高年のブームと言われているのに、若者も多いのだ。hujisann02。そして、登山者には、登山用品をしっかり身につけている人とジーンズにスニーカー、極端な例では、バックパックはなくレジ袋にコンビニ弁当を入れて登っているなど近所の公園に出かけているかのような感覚で登っている人も多かったことに、何よりも驚いてしまった。手軽を通り越して、いくらなんでも山を馬鹿にしているのじゃないかと思えたほどだ。

 また、海外から来ている人も多かった。企業研修で日本に来ており、研修のひとつとして登っているという人や日本一の山に一日で登れてしまうから、と聞いてみると話していた。

 登山だけではなく、まずは気軽に自然を体験することが、自然を理解することにつながると思う。しかし、今の状況は、どこかのレジャー施設と同じようにしか思っていないと思えた。天候が少しでも変われば遭難の危険性は非常に高くなる。近所の公園でもないことをまずは自覚すべきなのだ。

 昨年の富士山への登山者は過去最高で、短期間で登下山するツアーが横行、体調に異変が出る人が相次ぎ、2005年以降ゼロだった登山中の死者も4人を数える事態(富士山NETより 山梨日日新聞2008/12/21)。また、富士山富士宮口新五合目に夏の間だけ設置される臨時警備派出所が、「事前準備の徹底と登山マナーの向上を呼び掛けている」のだそうだ(静岡新聞2008/08/31)。

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 富士山には、自然保護から入山料を取るべきとの主張がある。入山者がコストを負担することには賛成するが、料金を取るだけではなく、装備の点検や指導も同時に行うべきではないだろうか。
 海外の国立公園では、入り口ゲートで料金を払うときにレンジャーからマナーや何に注意すべき。装備は整っているかなどレクチャーをされることがある。遊びは自由に行うもの。余計なお世話はイヤだが、そんなことを言っている場合ではないようだ。