世代間格差

若者の政治参加を進めるNPOが主催するシンポジウムのに参加してきた。テーマは「世代間格差」を考える。
現状の政策の重点や税金の配分を考えると若者層への対策や配分が薄くなっている。これは若者の投票率が低いことが原因であり、若者層が最も政治に関心を持ち、投票に行こうとの内容だった。
結論から言えば、若者が投票に行くと何がどのように変わるかは具体的には分らなかった。しかし、総選挙がいつになるか、相変わらずハッキリしないが、ひとつの争点になっても良いと思うが「世代間格差」であり、持続可能な社会保障ではないだろうか。



シンポジウムは、このブログでも紹介した「世代間格差を越えて Part2」。
国民投票法により投票年齢が18歳に下げられることが決まったことから、18歳からの政治参加、投票を増やそうと活動しているNPO法人Rightsのメンバーがパネリストとなり、現状の世代間格差についての検証が行われた。

基本的な認識としては、1990年代から国の財政は、歳出が増大している一方で税収が減っている。これをグラフにすると俗にいう「ワニの口」となっており、2009年度の歳出と歳入の差は過去最大の約60兆円となるだろう。このような日本の財政赤字は、世界的にみても未曾有の水準だ。

財政赤字は、対GDP比で181.6%に達する見込みで先進諸国の倍以上になるほどで最も多く、一人当たり750万円の借金ともなっている。

その一方で社会補償費が増大し続けている。社会保障の給付は、06年度の90兆円から25兆円には141兆円に増加する見込みで、これは国民所得の増加率を上回るものだ。その日本の社会保障制度のなかで、最も規模の大きいのが年金で年間約47兆円の給付となっている。次に多いのが、医療で約28兆円。介護は6兆円。

年金は「賦課方式」であり、現役世代から集めた保険料(税)を主に高齢者への給付に充てているが、少子高齢化が進むことで、現役世代の負担が増えることになる。

例えば、一人毎月10万円の年金を給付すると想定すると、1970年には現役が10人で負担すればよかったが(一人1万円の月額保険料)、1990年には現役6人で一人、2010年には三人で一人、2030年には二人で一人、2050年には、現役が一人で一人の高齢者を支える保険料となってしまう。

さらに、現状のままの制度で続けるとなれば、現役の年金給付額は、事業者負担を考慮すると支払った額ほどもらえないことになる。雇用の不安定や給料が増えないことも考えれば、世代間格差はさらに広がることになる。
現状の若者の投票率が少ない中で、このような世代間格差をどう埋めていくか。景気対策は必要だが、若者世代への今後を考える必要があるはずだ、というのが大まかなパネリストからの報告だった。

その後、会場との質疑、議論の時間があり、いろいろなテーマが出されていたが、その中に、それだけの格差があるのになぜデモをしないのか、との質問があった。

パネラーは、そもそも、社会自体が疑問に対して行動しないように制度を作っているのではないか。かつてのような学生運動を起こさせないようにしているのかもしれない。また、何を判断材料にすればいいのか分らないこともあると思う。

このことを考えれば、政治教育が重要になる。アメリカでは争点教育があり、賛成反対のメリットデメリットを考えることを教えている。

諸外国では、若者世代がロビー活動や政策の作成なども行っている。若者施策、青少年事業といえば、日本では健全育成や国際交流だが、欧米では20年前から変わっている。政治教育も含めて行うべきではないか、との提案もあった。

★結論と思える内容はなかったが、世代間格差は明確であり、現状の制度のままでは将来は破滅的とも思えた。分ってはいることだが、数字であらためて考えてみると年金制度を含め、どのように社会保障を持続可能にするか、バラマキを考える前に真剣に考え、制度を再構築する必要が早急にあるはずだ。当然ながら消費税を含めた税制の議論も必要だ。高齢者から若者に税金を振り分けろというような話ではなく、本当に必要なことに使われているのか。限り在る財源を何に集中させるのか。社会保障制度の再構築も含めて、再検証する必要があると思う。

どのような未来にするかを政党が示して総選挙の争点とすべきと思うが、はたしてどうなるのだろうか。目先のバラマキ合戦にだけはして欲しくない。

【参考】
武蔵野市議 川名ゆうじの武蔵野blog  若者意識を変えるのは