中学生まで医療費 10月から無料へ

47acf9d5.jpg6月15日の市議会文教委員会で、中学生までの医療費を無料化にする議案が審議された。全会一致で採択され、今年の10月から実施されることになる。子育て支援政策として評価できるが、その財源には課題があると思う。都からの財政支援が不明確であること。さらに、都が行っている所得制限をなくし、さらに通院一回につき200円の自己負担を武蔵野市はなくしたことにより、市の負担が実質、年間約1億3000万円増となるからだ。

議案は、義務教育就学児医療費助成をするもの。現在、診療費の三割が自己負担であり、その三割の一割についてはこれまで助成が行われていた。この議案は、三割分をすべて助成しようというもの。三割のうちの半額を都が自治体に助成する。この無料化はこれまで23区では実施されていたが、多摩地区には都の助成がなく遅れていた。都が多摩地域への自治体への助成を決めたことで、実現するものだ。

しかし、一回につき200円の自己負担金が求められている。市長会などでこの是正を求めているが、他の交付金などで対応するとの都の方針であり、ほんとうに都が支援をするかは現状では不明確なままだ。

この日の審議では、他の自治体の様子についての質問があった。答弁によると、所得制限をしないと考えているのは、青梅市、府中市、羽村市、福生市。一部負担金を市が負担するのは、武蔵野市のほかには府中市のみとしていた。

今回の医療費の助成で武蔵野市の財政負担は年間約1億3000万円と見込まれている。右肩上がりに経済成長が見込めないこと。少子高齢化社会となり扶助費(生活保護などの福祉関連費用)が必然的に増える一方で納税者である働き手が少なくなる今後の財政状況を考えると、この財政負担に見合う分の他の事業の見直しが必要になるはずだ。

200円の自己負担をしてもらう場合は、年間約1億1500万円。さらに都が想定しているように200円の自己負担を求め所得制限をして低所得者だけに助成する場合には、年間約3200万円との試算も同時に示された(画像を参考)。

また、ただでさえ小児科医が少ない状況で、コンビニ受診が増えてしまい医師の負担が増えてしまわないか。そもそも小児科を増やす施策を優先すべきはないか、との疑問もある。つまり、たんに医療費が助成される、タダになるからそれでいいというワケではない。総合的に考えないと、たんなる政治家の人気取りになってしまうからだ。

答弁では、早期に診療することで結果的に医療費の削減につながるとのデータもあるとの答弁があった。このことも確かにそうだな、と思うが、総合的にどうするのか。医療の課題も含めた施策が必要だろう。とうぜんながら自治体だけで対応できることではなく、国として取り組むべき大きな問題でもある。国の方針も変える必要がある。

医療費の助成は、アレルギーなど多額の医療費がかかってしまう家庭には必要であり、今まで行ってこなかったことは非難すべきことだ。子どもは皆平等とも思い議案には賛成したが、今後の財政状況を考えると躊躇してしまった。