地下水の実態は分からない

山形県鶴岡市の七五三掛(しめかけ)地区で地下水が原因とみられる大規模な地滑りが発生している。地下水が地表に大きな影響を与えている事例だろう。地形が異なるので外環道路にすぐに結びつかないが,大丈夫だろうとの甘い見込みで工事を行うととんでもないしっぺ返しにあうのかもしれない。


七五三掛地区は,月山の麓。映画「おくりびと」のロケ地で有名になった地域だ。150cm以上もの大きな地割れや2m近くも沈下する場所もあるなど地域全体に亀裂が発生し住民が避難をしている。

原因として考えられているのは,地下約24mにある地下水層だ。ここに多量の雨水が流れていることから地表面が動き出したと考えられており,県は地下水にボーリング工事を行い水を抜く対策を行っているが,現状ではどうなるか分からないようだ。

このニュースを聞いて気になったのは,地下水について,実態が良く知られていないということだ。

地下水の勉強会などでいくつかの話を伺ってきているが,共通して言えるのは,実態を明確に解明した調査や研究はないということ。
地下トンネルなどの工事で事前に地下水調査が行われるが,調査をするのは行政からの仕事を生業とする,つまりは御用学者や関連業者が行うことになり,以降の仕事を考えれば行政に不都合なデータは出せないと考えたほうが良いとの忠告もあったほどだ。考えてみれば,地表面をはがして水脈を実証することは不可能であり,研究の多くは想定されることでしかない。さらに,昨今ではこのような研究部署には予算は配分されなく,行政による研究も進んでいないとの話も聞いている。

事前に地下水の調査は行われたとしても,本当に信用できるかは分からない。地下水への影響は工事が終わってからの出たとこ勝負ということなのだろう。

七五三掛地区は,谷間であり川に向かって地下水が流れているため,地表面は川に向かって地滑りが起きている。これが平坦地であればどうなるのかは想像ができない。

大深度地下で計画が進められている外環道路。工事をするための調査ではなく,実態を解明できる調査をすべきだと思う。工事を行うのであれば,せめて,何らかの被害が出た場合の補償や責任の所在も明確にしておくは必要だ。

【参考】
FNNニュース 山形・鶴岡市の七五三掛地区で地滑り あちこちにできた亀裂が拡大、自主避難する住民も
山形新聞 県が地下水抜く緊急工事開始 鶴岡・七五三掛の地滑り