地方政府時代における地方議会のあり方

『地方政府時代における地方議会のあり方』について講義と議論に参加してきた。テーマとなっていたのは、議員力を高め議会の信頼を高めようというもの。議会はいらないとの声もあり、議員自ら真剣に取り組まなくてはならないテーマだと改めて思った。これは、議員だけではなく住民にも知って欲しいことだ。

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これは、運営委員として参加しているローカルマニフェスト推進地方議員連盟の研修で4月17日に浜松市で行われたもの。浜松市議会の研修会との合同で実施された。講義は北川正恭早稲田大学大学院教授(元三重県知事・元衆議院議員)が行い、議会改革の事例を同じ議員連盟に所属している水谷正美三重県議会議員から「三重県議会の議会基本条例」について、佐藤邦夫奥州市議会議員から議員提案で行った「えさし地産地消推進条例」(江刺市は合併して奥州市に)の取り組みについて報告があった。

おもな内容は、地方分権一括法などにより国と地方自治体の関係が上下から対等の立場となり地方公共団体から地方政府となった。地方政府とは、完全自治体のこと。予算、財政の確立と法律(条例)の制定が可能になったことでいえることで、実態は異なるだろうが、議会の重要性がより高まっている。監視機能だけではなく政策立案機能がより求められているのが議会であり議員だというものだ。

北川教授が、講演のなかで議会の仕事は監視機能との考えがあるが、これは行政から押さえ込まれた結果ではないかとの指摘には考えさせられた。条例の制定など他の仕事をさせない、してもらいたくないとの考えに押さえ込まれているのかもしれない。何よりも、行政が自ら評価、改善していく。それも情報公開を行い住民にみえる形にして、住民の意見も取り入れるようにすると議会は不要となってしまうからだ。

三重県では、北川知事時代に政策や施策,事務事業への行政評価と施策へのPDCAサイクルシステムが持ち込まれたことで、各施策・事業の目的や評価、改善手法が分かりやすくなり、行政自ら評価、改善できるようになった。住民への情報公開を進めたことで、住民にも行政の手法が分かり、住民からの意見や改善提案を受けいれシステムができると、結果的に議会の存在意義が薄れてしまったとの経緯がある。
そのため、議案への手の上げ下げ(議案への可否)、批判だけでの議会で良いのかとの考えになり、行政に対抗できる真の意味での二元代表制の一翼を担う議会になるべき、政策提案や議会本来の役目である立法(条例制定)機関になるとの議会改革を進めてきたのが三重県議会だった。
「えさし地産地消推進条例」は、議会が行政の方向性を決めたもので政策を見える形にした先進例だ。

これまでに、三重県議会の改革と佐藤議員の活躍は何度となく伺っているが、あらためで話を伺うと初心に戻った気持ちになり良い刺激になった。ついつい流されてしまう我が身を振り返ってしまった。

北川教授の「政治は怨念と情念」との比喩も考えさせられる。怨念は必要ないが、実際には多いのだろう。政治は,何ためにやっているのか。自らの思いを伝え実現することが必要であり、ポジション甘んじていてはダメなのだろう。

写真は視察したスズキ歴史館で。車が発売された当時の社会を再現していた。2ストロークのジムニーSJ10やオートバイのハスラー50や250に乗っていたこと、古い車ばかりを乗っているので、展示されている車に妙に親近感がわく。楽しみの要素を加えて歴史を伝える工夫が興味深い。伝えることに楽しみも加えるコンセプトは行政や政治にも必要だ。