プレイスの管理運営方針 期待と気になること

武蔵野プレイスの管理運営方針の行政報告があった。大まかな内容は基本方針と変更はない。より詳細に煮詰められ、だんだんと形が見えてきた。しかし、気になる点も残されている。



武蔵野プレイス管理運営指針は武蔵野市のサイトで公開されているのでご参照して欲しい。
『気づく』、『知る』、『参画する』、『創造する』をコンセプトに、『人々の交流が自然に生み出される質の高い「場」を提供し続けることによって、生活、文化、芸術、自然、歴史、まちづくり、ボランティア活動、市民活動、生涯学習、福祉、教育といった横断的な活動や交流のネットワークが自然に活性化され、地域社会の魅力を高めることに寄与する』ことが施設の目的とされ、
○ 情報アクセス支援
○ 課題学習支援
○ 地域社会活性化支援
の三つのミッションを持つとされている。

具体的に何がどうなるかはまだ見えないが、だんだんと内容が煮詰められていることは評価したい。しかし、最も重要であり施設運営のキーポイントとなる館長が決まっていないことは気にかかる。行政報告のあった 鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会で、いつ決まるのかを質問をしたが明確な答弁はなかった。早急に確定する必要があるはずだ。ソフトが煮詰められているなか、その理念を誰が実現するかが分らないからだ。

人のことも気になる。人材が重要と考えている、とこの日の答弁ではあったが、想定している職員数が示されているもののそこには嘱託職員を前提として計算があり、図書館については『カウンター担当職員は、できるだけ図書館司書資格を有する嘱託職員を配置する』とあるように嘱託、つまりは多くの非正規職員で事業を担うことを前提としていると思えたからだ。

武蔵野市として目玉となる事業が非正規職員を前提で考えていいのか。また、指定管理者制度を想定していることを考えれば、人の配置はその指定管理者が考えるべきだとも思う。このことを質問したところ、あくまでも市としてこの程度の人件費になるとの想定であって、嘱託職員でなければならないとは考えていないとの答弁だった。細かな職員体制は今後の課題としていた。

図書館に限らず、施設だけではなりたたない事業は人材が内容を左右する。その人材を原則、最長で5年しか雇用できないという嘱託職員、非正規で担うのはおかしなことだ。

もうひとつ気になったのは、当初は市の正規職員を派遣するとしていたことだ。市の正規職員が施設にいるのであれば、指定管理者制度にしなくてもいいことになる。施設の運用を始めてから指定管理者制度のほうが理念を実現するのに適していれば、そのとき導入を考えてもいいのだと思う。

昨年、社会福祉法が改正されたさい、国会で『図書館などの社会教育施設における人材確保及びその在り方について検討するとともに、社会教育施設の利便性向上を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮して、適切な管理運営体制の構築を目指すこと』との決議が出され全会一致で賛成となった。この趣旨を考えれば、指定管理者制度ありき、導入が前提との今の考え方を再考してもいいのだと思う。

特別委員会での行政報告や方針を読んでいて気がついたのは、プレイスが目指そうとしているのは新たな公共図書館の姿ではないか、ということだ。

以前、「社会に役立つ図書館 」で書いたことだが、1995年にアメリカ図書館協会が示した「アメリカ社会に役立つ図書館の12か条」の理念と似ていると思ったからだ。

このことが分っているかどうかは質問をしなかったが、このことが実現できるのであれば、日本の図書館だけではなく世界に誇れる図書館(とその機能)になる可能性があると思う。今まで、無料の貸し本屋ではだめで新たな時代の新たな理念を持った図書館、プレイスにすべきと提案してきたが、このことがここに反映されたようにも思えた。

いずれにせよ、運営の中心となる館長を決め、運営方法をさらに具体化することが早急に必要だ。

以下がその「アメリカ社会に役立つ図書館の12か条」だ。

図書館は知る機会を提供します。
図書館は社会の壁を打ち破ります。
図書館は社会の不公平を改める地ならしをします。
図書館は個人の価値を尊重します。
図書館は創造性を育てます。
図書館は子どもたちの心を開きます。
図書館は大きな見返りを提供します。             
図書館はコミュニティを作ります。
図書館は家族のきずなを強めます。
図書館は一人ひとりを刺激します。
図書館は心の安息の場を提供します。
図書館は過去を保存します。