国と県の「ぼったくりバー」

橋下大阪府知事が,国直轄公共事業の費用の一部を地方自治体に負担させる仕組みを「ぼったくりバーみたい」と批判したことで波紋が広がっている。地方自治体が望まない事業を勝手に行い,あとから費用を出させるのだから,比喩はともかくとして的を射ているような発言に思えた。このようなことは,武蔵野市にもあるのだろうか。

今回の問題は,香川河川国道事務所(高松市)の移転費の一部を、国交省が国道や河川の工事費名目で香川県に負担させていたことだった。しかも,費用の細目を示さずに請求していたのだそうだ。
その他にも,『2008年度だけで、同様のケースは全国の計44カ所に及び、庁舎の老朽化に伴う新増設や建て替え、移転などの費用を地方に負担させていた。事業費は計389億円で、そのうちの3割に相当する118億円を34の自治体に請求していたという』(西日本新聞 2009/4/8)。

このことで,知人の元市長から問い合わせが来た。内容を要約すると,その人が市長をしていた県では,事業の執行がほとんど終わりかけた年度末の2月頃に県の事業の市負担分をいきなり求めて来る。内訳も示していない。武蔵野市はどうなっているか,というものだった。

年度末にいきなり請求されるのであれば,予算のたてようもない。事前に県の事業を行うさいに市へ相談もないのだそうだ。国が県から「ぼったくる」ように,県も市から「ぼったくる」ようなものだ。

幸いなのか,当たり前なのかは分からないが,武蔵野市の場合はこのようなことはないようだ。参考までに,市とは制度が違う23区での状況を知人の都市整備関係の区職員に同様のことを聞いてみたが,その区でも財政担当にも確認したがないとの話だった。

国や県の事業を,事業を行う区や市に知らせないで行うことは,このことから推測する範囲でしかないが,東京都ではないようだ。東京都や区市が,比較的財政に恵まれていることが背景にあるのかしれないが,当然といえば当然のこと。負担を後から説明もしないで求めるのはおかしな話だ。地方分権どころではない。

国へかみついた橋下大阪府知事だが,お膝元の大阪府泉佐野市の新田市長が『府水道局は府内市町村に対して同じような『えげつない請求書』を出している』と発言(yahoo news 産経新聞 4/17)。山形県酒田市の阿部市長も県が同様のことをしており,批判する資格がないとも発言(yahoo news 毎日新聞 4/16)している。

このことを考えてみると,全員がそうとは思わないが,まずは国や県職員の「上から目線」を変えること。逆説的に言えば,補助金頼みで国や県にお願いする区市町村の発想も考え直す必要あるのではないか。地方分権とは,国,都道府県,区市町村が上下の関係ではなく,水平関係になることでもあると思う。

【参考】
janjan 「ぼったくりバー」なみ、政府直轄事業の地方への請求書