決議付で予算は成立へ

武蔵野市の平成21年度予算案は、決議が付きながらも予算特別委員会では全会派一致で可決しました。3月27日の本会議で成立する予定です。
決議は、市立小中学校の教師の負担軽減と個人情報のセキュリティを高めようと予算が付けられていた学校情報システムの費用が高い、議会への説明不足が理由。議会が納得するまではこの予算の凍結を求めるもので賛成多数で可決しました。


決議の概要は下記。

平成21年度一般会計中、教員用コンピューターネットワーク構築に係る予算について、学校業務の効率化やセキュリティ対策のなどの観点から、システム構築そのものの必要性については一定の理解をするところだが、多額の予算が計上されているにもかかわらず、その検討の詳細な報告やプロセスについて議会には十分説明がなされていない点については、まことに遺憾であり、本予算特別委員会について十分な議論が尽くされたとは言いがたい。よって、コスト削減に向けた比較検討材料を提示するなど、事業内容の再検討を要望し、議会の理解を得られるまで、本事業に関する予算の執行の凍結を求める。

以上、決議する。

自由民主クラブ、市民クラブ、公明党のいわゆる邑上市長の“野党”による賛成多数により可決となりました。
反対したのは、民主党・無所属クラブ、共産党、市民の党。

考えられているシステムは、市立小中学校の教員一人に一台のパソコンを配布しネットワークを構築。校務・教材作成の効率化をはかり、同時に個人情報管理を徹底するもの。教師の校務処理の負担を軽減し、子どもと向き合う時間を増やすことが目的です。

本来ではあれば学校内で仕事を終わらせるべきですが、現実には自宅で作業をすることを避けられない教師のためにインターネットを通じてサーバーにアクセスできる機能と情報が流出しないようにパソコンや外部記録装置でのデータ保存はできず、サーバーでしか保存できないように考えられています。

21年度は三校での試行で予算計上されているのは、5897万7000円。残りの全校まで整備するとなると平成21年~平成25年の5年間でイニシャルコストが2億8500万円。同5年間のランニングコストが2億3900万円。都合、5年間で5億2400万円がかかると説明されています。

予算審議では、そこまでのセキュリティが必要か。校内で仕事をするべき。もっと安価なシステムがあるはず。議会への報告がなかった。説明がもっと必要との質問が多くありました。三鷹市では約9000万だとの具体的な数字が質問にありましたが、仕様は自治体によって違いますし、比較は簡単にはできないとも思います。

確かにシステムが良くわからない人への説明としては課題があったかと思いますが、費用はプロポーザルによる入札が行われますので、この価格となるかは分りません。高いとはいうものの、何がどのように高いのか私には不明確なままでした。個人情報が流出しないようなセキュリティシステムを考えれば、一定の費用はかかりますし、このようなシステムにするしかないと思うからです。

凍結とするのであれば、教師の負担やセキュリティは今のまま。学校に三台程度のパソコンを支給しているだけの現状でいいのかを考えるべきではないでしょうか。

そもそも個人情報を守るのは教師のモラル、今までは大丈夫だった、との質問がありましたが、現状を理解しているのだろうかとも思いました。

とかく今の教師は忙しく、子どもを向き合っている時間が少ない。本来は勧められないが必然的に自宅の帰ってから作業をしなくてはならないのが実情であり、自宅で作業するには、USBメモリなどの外部記憶媒体でデータを記録しなくてはできません。
しかし、そうすると以前発生しましたが個人情報の入ったUSBメモリが盗難にあったようにセキュリティには問題があります。

盗難にあったことから市はパスワード認証が必要なUSBメモリを支給し、自宅などへ持ち出すときは校長の許可が必要と現在ではしていますが、それでもセキュリティは万全とはいえないはずです。このこともあり今回のシステムは考えられているのです。
国もejapan構想を作り、教師一人一台のパソコンを、と進めてきていることへも逆行することになります(補助金は交付税に盛り込んでいるので、不交付団体である武蔵野市に補助金はない)。
凍結してセキュリティや教師への負担をそのままにしていいわけがない、と私は思いました。

ただ、そもそものシステムをどう作るべきか。今回のように予算審議でいきなりの議論ではなく、予算審議の前に議論はすべきだったとは思います。
税金を支出する以上、安価であるにこしたことはありません。仕様を決め、プロポーザルによる企業提案を見て判断すべきです。そうしなければ費用は分りません。議会が費用を判断できるのか疑問が残った決議でした。