『議会改革白書2009年版』発刊!

全国の自治体議会(地方議会)の改革状況をまとめた白書が発売されました。

○『議会改革白書2009年版』
○廣瀬克哉・自治体議会改革フォーラム編
○発行:生活社  定価:本体3,500円+税 A4判 248頁)
kaikakuhakusyo
2000年の地方分権一括法などにより地方自治体の役割は増え、責任も増しています。当然ながら議会も同様。ですが、その責務を果たしているかと問われるとどうなのでしょうか。この白書は、議会改革の先進例の紹介、分析と全国の自治体議会へのアンケートから見えてくる現在の議会を検証しています。議会不要論もあるなか、自治体議会の役目とは何か。何をすべきか、何ができるのか考えなおすのにも良い資料になると思います。


白書は、2007年から始まった「変えナキャ! 議会 自治体議会改革フォーラム」から生まれたプロジェクトのひとつ(私も執筆しています)。詳しくは、自治体議会改革フォーラムのサイトをご参照ください。以下に案内文を転載します。

刊行にあたって(抜粋)

 2006年5月の栗山町議会基本条例の制定以来、全国の自治体議会に改革の動きが広がっている。議会基本条例だけをとっても、2008年末までに北海道から九州まで「31」の議会で制定され、2009年にはさらに多数の議会基本条例が誕生することだろう。あらためていうまでもなく、議会基本条例の制定だけが議会改革ではない。会議規則や委員会条例の修正や運用の見直しだけでも、改革すべきこと、また実行できることは少なくない。

 これまでにも自治体議会において改革の取り組みが行われてこなかったわけではない。しかし、今回の議会改革が全国的に広がっていく直前の時期には、議員定数の削減や報酬の減額等議会にかかるコストを削減することが、もっぱら目に見えやすい改革として評価されるという状況が生じていた。すなわち、議会の現状に多くの問題があると見られる一方で、議会の活性化への積極的な期待は浮かび上がってこないという状態に陥っていた。

 現在進行中の議会改革は、その状況を打開していく可能性をもった改革であるという点において、新しい動きであるとともに、地方自治の将来にとってきわめて重要なものということができる。

 その具体的な取り組みについては、相互の訪問視察などにより、議会間で伝達され、徐々に情報は普及しつつあるが、その広がりが議会改革に熱心に取り組む議会関係者という範囲を超えてはあまり進んでいないのが、残念ながら現実である。このような「壁」を乗り越えて、市民と議員の間で、自治の活性化のために協力し合って現状を変えていくための知恵と経験を広く共有していけるような取り組みが求められている。

 この白書が、議会改革の取り組みに必要な情報の周知や共有を通して、議会改革を議会関係者だけのものにとどめるのではなく、広く市民と議員の取り組みへと展開していくための一助となれば幸いである。

目 次

議会改革白書刊行にあたって
  廣瀬克哉 自治体議会改革フォーラム呼びかけ人代表

第1章 議会基本条例の展開と実践─現場からの報告
 議会改革最前線! 住民とともに歩む 栗山町議会の挑戦
  橋場利勝 北海道栗山町議会議長

 議会改革の新展開 真の二元代表制をめざして 三重県議会
  三谷哲央 三重県議会議員

 市民とともに改革 工夫を重ねて着実な一歩を 京丹後市議会
  大同 衛 京都府京丹後市議会議長

 政策形成サイクルの運用と成果 市民意見を後ろ盾にした合議体へ 会津若松市議会
  田澤豊彦 福島県会津若松市議会議長

 執行部優位に対する議会の挑戦 合併の危機を改革のバネに 邑南町議会
  長谷川敏郎 島根県邑南町議会議員

 市民に開かれた議会をめざして 伊賀市議会基本条例の実践と取り組み
  森岡昭二 三重県伊賀市議会議長

 もっと身近な議会へ、もっと確かな議会へ ただいま議会基本条例制定中! 鶴ヶ島市議会
  山中基充 埼玉県鶴ヶ島市議会議員

第2章 議会改革の最前線を追う─先進議会の取り組み評価
 議会と総合計画 議会は総合計画にどうかかわるか
  神原 勝 北海学園大学教授

 住民自治と議会 議会報告会が住民の自治力を高める
  江藤俊昭 山梨学院大学教授

 議会不要論を超えて
  神田誠司 朝日新聞編集委員

 決算改革の可能性 多摩市議会における点数評価と自由討議導入の成果
  川名雄児 東京都武蔵野市議会議員

 議長マニフェストを評価する 松田良昭・前神奈川県議会議長の取り組みから
  片木 淳 早稲田大学大学院教授

 議会の附属機関へ参加して 会津若松市議会の条例制定過程から
  松野光伸 福島大学教授

第3章 議会改革の到達点と今後の課題
 広がる議会基本条例と議会改革の取り組み 全「31」条例の分析に見る改革のポイント
  長野 基 跡見学園女子大学専任講師

 議会は開かれているか?
  秋葉就一 千葉県八千代市議会議員

 市民参加の場としての議会
  菊地端夫 明治大学専任講師

 議員間討議の現段階
  廣瀬克哉 法政大学教授

 市民と議員の政策づくり
  饗庭 伸 首都大学東京准教授

 地方自治法2008 年改正で何が変わるか
  田口一博 地方自治総合研究所研究員

 混迷する地方制度調査会
  今村都南雄 地方自治総合研究所研究理事

第4章 全国自治体議会運営実態調査 結果報告2007・2008
 全国自治体議会の運営に関する実態調査2007 調査結果概要
 全国自治体議会の運営に関する実態調査2007 集計表
 全国自治体議会の運営に関する実態調査2007 回答自治体一覧表

 全国自治体議会の運営に関する実態調査2008 調査結果概要
 全国自治体議会の運営に関する実態調査2008 集計表
 全国自治体議会の運営に関する実態調査2008 回答自治体一覧表

資料編
 議会基本条例制定過程状況一覧(2008年12月31日現在「31」条例)

 議会基本条例全条文集(2008年12月31日現在「31」条例)