介護保険 3%アップで良くなるのだろうか

高齢者介護に人材が集まらないことから、介護報酬を上げて待遇を良くし人材を確保しようとの狙いで、来年度(4月)から介護保険が改定される予定です。しかし、介護報酬の3%アップで本当に人材が集まるのでしょうか。話を伺ってきました。


話を伺ったのは武蔵野市の周辺でケアマネージャーをなさっている方と小規模事業者の方。ざっくばらんなことを伺っただけで、データとして正しいとはいえませんが、現場は3%どころで変わりようがないと考えているというのが実感でした。

話を伺うと、現状でサービス残業ばかりの毎日。そもそも、4.8%から報酬を下げているのだから、3%あがっても反映されるとは思えない。大手ならスケールメリットで少しは良くなるかもしれないが、中小はもともと赤字で、賃金に回ることはないと思う。3%アップしたとしても計算が複雑になるだけで、その計算する事務量(時間)が増えてしまい、給料に結びつくのだろうか。厚生労働省であってもどのように計算すれば良いのか分らないのじゃないか、との指摘もありました。

また、介護報酬があがることは利用料があがることになる。それでいいのだろうか、との疑問もありました。

他にも現状の介護保険への課題が話題となりましたが、気になるのは、ケアマネージャー自身の立場でした。
介護の現場で苦労をされているのですが、そのケアマネージャー自身が嘱託職員であったからです。

嘱託ですから非正規であり、正規と同様な給料でないばかりか、仕事の時間数も週30時間以内と限られています。しかし、相談業務は、夕方以降が多いことや痴呆の方がいなくなった場合に探しにいくことなどもあり、規定の時間内で仕事が終わることはない。残業代が出ればまだしもサービス残業ばかりだ、との話だったのです。

嘱託は、短期的という期間を定めて行う仕事ですから、社会保障もせず正規職員の働く時間数よりも少ない勤務時間となっています。継続して働くことや時間数も含め正規職員と同じ内容で働くのであれば、正規として雇用するべきであるはずです。

平成20年4月1日よりパートタイム労働法が改正され施行されていますが、この法律では嘱託などの短時間労働者が正規と同じような仕事をしている場合には、正規と同じような待遇をすることや「転換を推進するための措置」を義務付けています。

逆説的に考えれば、最初から短期間と条件を示して採用し、長期間の仕事をさせなければ、正規と同じような待遇をしなくても良いとなってしまいます。人件費を少なくしたがために現状ではこのようにしているのが自治体を含めて多いのではないでしょうか。

少子高齢化社会では社会保障費が増え続けていくのは当然のことです。どのように少なくできるかは検討すべきですが、削減ありきで考えるとしわ寄せは、人にきてしまい、結果的に利用者への跳ね返りになるようの思えます。全体のパイは限られているのですから、どこに集中すべきなのか。国全体の構造を変える必要があり、それは、政治の仕事であるはずですが…。

【参考】
厚生労働省 パートタイム労働法が変わりました!