反問権

1月13日に武蔵野市議会議会運営委員会の研修会がありました。題して「地方自治法改正の改正に伴う議会運営について」。
主に地方自治法の改正や地方分権一括法、政府の地方分権推進会議などによる地方議会の制度改革などについて現状認識を行うために開催されたものです。

事実確認を行うことが前提でしたので、目新しい内容ではありませんでしたが、質疑のなかで気になる見解もありました。それは、反問権を認めるか、です。



研修会の講師は、全国市議会議長会法制主幹の水出豊さん。2000年の地方分権一括法などの施行により、機関委任事務の廃止などが行われ地方分権が進み、より地方議会の責任が重くなったことから今以上に機能強化ができるようになっているとの内容でした。

なかでも「専門的知見の活用」については、武蔵野市議会でも活用していいのでは、と思いました。
これまで、執行機関(市長側)が、専門機関を置くことで政策研究や付託した調査を行えるの対して、二元代表制のもう一方である議会には、同じような機関を持つことができませんでした。しかし、現在では「専門的知見の活用」が行えるようになっており、議会が学者や法人、複数の人から政策形成への助言受けたり、調査研究を付託できるなどができるようになっています。

水出さんは、特定の議案がないと付けないことなど使い勝手が悪いので全国的に広がっていない(※)とされていました。しかし、いくつかで使っているとの話を聞きますので、現在ではもっと活用されているのかもしれません。

さて、講義の後の質疑のなかで興味深い見解がありました。

そのひとつは、現在多くの自治体議会で議会基本条例の作成が進んでいますが、この議会基本条例への見解。もふひとつは、多くの議会基本条例で目玉的な内容となる反問権への見解です。

議会基本条例については、多くの議会では数年をかけており、議会のあらゆる問題の洗い出しが必要になり、議会には大きな改革になる。しかし、条例だけ作っても活性化にはならない。条例が目的ではないことに留意して欲しい、とのされていました。

このことは至極当然のことだと思いましたが、反問権については、そうかなぁ、と思う内容でした。

反問権とは、市長など答弁側に反論の権利を認めることです。
議会の質疑で、議員からある事業をやってみるべきではないか、と質問があった場合、現状では「財政的に難しく、検討課題と認識しています」というお役所的答弁がよくあります。
これは、質問したことにだけ答弁しなければならないという議会規則があるためです。反問権を認めることで、例えば、「費用はいくらかかるが、この財源はどこから持ち出せばいいと考えているのか?」「この課題があるのでできないが、どのように課題をなくせばいいのか?」と答弁側から逆質問してもいいとなるのです。

議員側からすれば、事前調査が必要になりますし、実行するためのさまざまな手法を提示しなくてはなりません。手間はかかることになりますが、より具体的な政策議論ができることになるので、私としては認めたほうが良いと思っています。

しかし、返答は、職員というプロに与えるのは難しいのでは。対等にやりあえるならいいが、何百人もいる職員に対抗できるのか、と疑問を示されていました。
個人的な見解との前提ですが、なんだか議員は素人であり、反問権を認めてしまうと恥をかくよ、といわれているように思えてしまいました。

確かに、専門的な知識ではかなわないかもしれません。ですが、議員は税金を頂いている以上、純粋な素人であってはならないはず。市民感覚で質問することは良いとも思いますが、市民や市役所とも違う情報、知識、分析があってこそ議会での議論が深まり、議員の存在意義があるように思えるのですが…。

地方分権が進むことで議会の機能を高めることが可能となったことを再認識したと同時に、少々寂しい気持ちになった研修会でした。

※専門的知見の活用例
(全国市議会議長会調査より 平成18年11月24日~平成19年12月31日現在)

●東京都千代田区
・政務調査研究費交付額等審査会
・行政視察に関する懇談会

●東京都目黒区
・政務調査費のあり方等を検討するために学識経験者3名へ調査依頼

●茨城県水戸市
・有識者(大学教授,公認会計士,公証人,弁護士2名)からなる政務調査費支出基準に関する審査会を設置し,政務調査費の使途基準に関すること,支出基準の明確化に関することについて,調査依頼

●埼玉県所沢市
・都市農業について、大学教授に調査依頼

●大阪府八尾市
・政務調査費検討会議の学識経験者として調査依頼