多摩市議会が議会改革で出前委員会を実施

1月27日に開催された多摩市議会出前委員会を見てきました。
この委員会は、多摩市議会が進めている議会改革についての中間報告を示し、市民と意見交換をしようとの会です。中間報告ですので、確定した内容ではありませんでしたが、多くの自治体議会で課題となっていることを改革し、なおかつ、市民参加手法を議会にも取り入れようとしている姿勢には見習うべきと思った会でした。


出前委員会は昨年にも行われており、今回は土日の昼間、平日の夜と時間と場所をずらし三ヶ所で行われていました。この日は、その最終日となります。

中間報告は、前文にあたる部分に国も地方制度調査会などで地方自治体のあり方や地方議会のありかた、議会改革の課題について問題提起をしており、『多摩市議会も「市民のために存在する市議会」という揺らぐことのない原点の上に、あるべき像を示し、市民と共有する方針を確立することが急務です。
そのために、私たちのまちの議会運営のあり方を示す必要があります。議会は議事機関です。市民からの多様な意見を受け止めながら、討議と熟議を積み重ねていかねばなりません。改革骨子では二元代表制を実質化していくための議会改革の基本的方針を定めました。そして、最終的には「(仮称)多摩市議会基本条例」の制定を目指していきたいと考えています』と多摩市議会としての考え方と、だからこそ議会改革を進めていくことを示しています。

そして、改革の原則も下記のように示していました。

二元代表制を実質化するために、以下の原則により改革を行う。
1、行政へのチェック機能強化をすること。
2、議会による政策提案機能を充実すること。
3、意思決定過程で討議による合意形成を期すること。
4、市民によく見え、意思決定過程に市民が参加する議会を実現すること。

内容については、多摩市議会のサイトにある議会改革骨子をご参照いただくとして、参加していた議員の発言のなかに、改革を志したのは夕張市のことがあった。気がついていたら破綻では、議会がチェックをしていたかが問われることになる。当然ながら、責任を逃れられない。これは、政党ではなく議会全体の責任だ。ところが、議員の数が多い、報酬は高い、えらすぎる、何をしているか分からない、本当に必要かといわれることが多い。その一方で、市長は市民と一緒に行政改革を進め、PDCAサイクルをまわしているが、議会は申し訳程度しかかかわっていない状況だ。だからこそ、二元代表制の役目を果たすように改革をはじめたとの趣旨の発言がありました。

また、現状では市長の権限が強い。二元代表制の一翼として、議会の権能を高め働ける議会にしよう。現状の議会は、質問して意見を言う討論、議員がそれぞれ主張して、賛否を表明するだけで、本来の議論する場がない。議論して合意形成、政策を議論できる議会にしたい。さらに、今は議会で決まったことを市民に伝えているだけであり、議論の過程に市民の意見を反映する仕組みを作りたい、との思いも示されていました。

現在、多くの自治体議会で改革が進められており、議会基本条例の制定が進められています。地域特性が違いますから、すべて同じような改革が必要とは思いませんが、地方自治法が改正されたことや地方分権時代であれば、その責任をどのように担うのか。今以上の機能を発揮するには、どのようにすればいいのか。議会ごとに考える必要がありそうです。

★この日の出前委員会では、市民側から改革というのなら定数を減らすべきだ、との意見が出されていました。議会がムダと思えば確かにそうなるのでしょうが、その前に、議会、議員は何をすべきか、との定義が必要なのだと思います。市民のために、一歩でも良くなるように見えるところで議論できる、そのような議会になれば、必要な人数が考えられるように思います。

全体的に議会へ批判的な市民意見が多かったように思えましたが、ある議員が、議会、議員の発信力が弱いのかも知れない。それが、政治への信頼感が減っていることになっていないか。マスコミにも市民にも、情報のアンテナに地方議会が引っかからない。今日の意見も受けて議会がどうするか課題だ、と発言していました。
これは、私も含めて多くの議会、議員に問われていることなのだと思います。いくら良いことだと思ってやっても、市民に伝わらない、理解されないのでは、議会や議員の存在が不要と思われてしまいそうです。

また、地方議会は、民主主義の学校とよく言われますが、それは、多種多様な意見を持つ人があつまり、意見をまとめ上げていこうとするからです。多数を取れば、それでいい。あるいは、どうせ少人数だから好き勝手に言うだけ、ではなく互いに尊重しあいながら議会としての意見をまとめていくことが重用なのだと思います。

ある議員が発言していましたが、首長は一人であり独善的にできる。議会が意見をまとめたのであれば、多種多様な市民意見のまとまりとなり、独善的な考えよりも重くはるはずだ、との考え方には共感をしました。
ただし、上記のように意見をまとめていく作業があって、との前提ですが。

昨今、見える化、可視化が政策や事業のキーワードとなっていますが、自治体議会にも必要じゃないか、と思いました。
市民からの意見に議員が、時には熱くなる場面もありましたが、市民と議員が議論する場がもっとあって良いのだと思います。いずれにせよ、斬新的な試みであり、今後にも期待が持てる出前委員会でした。

【参考】「議会改革についての中間報告」 第2弾 多摩市議会出前委員会