政策としてのバリアフリー [視察報告2]

6f77e8f3.JPG北九州市のバリアフリーのまちづくりについては、先行モデルということもあり、詳細な点では各地で行われていることも多かったのですが、参考にすべきと思えたのは、政策理念としてバリアフリーが必要であること。そして、このことを市民に納得してもらうように努力をしていることだと思いました。


北九州市では、歩道と車道の段差を低くすることや放置自転車対策、歩道橋を撤去し信号付の横断歩道の新設。商店街で歩道空間が狭いところでは、歩道に面した建築物の歩道に面した1階部分を内側にオフセットしてもらい歩道空間を広げる(※)などで移動空間を拡充することなどを行ってきていました。

(※建築物の1階部分がショールームとなっておりオフセットしても構造上に課題がなく、市が改築費用を出すことで実現)

これらは、モデルケースともなることから建設費の半額を国が補助することで実現した側面もありますが、小学生向け、中学生向けの副読本やパンフレットを作るなど市民向けへバリアフリーのまちづくりが必要であることを伝えようとしていることに注目すべきと思いました。

視察のさいにいただいたこれらの資料を見てみると、少子高齢者化社会が急速に進むことから必要であること。どのように進めていくかなどが書かれており、小中学生用副読本には、高齢者施設の紹介やボランティアの必要性などを考えられるように作られていました。

また、バリアフリーへの啓発活動などを個別に実施するのではなく、一定期間に集中して行うバリアフリーウイークを実施し、このことによりバリアフリーへのPR効果をより高める事業も続けて行っていました。

正しい目的の事業でも、市民が理解し納得してもらわなければ、税金を使う意味合いに疑問をもたれることにもなります。目先の工事をしているのではなく、社会、市民にとって必要な事業であり、そのことへ税金を使う意味を納得してもらうこと。事業の集中化による効果増を考えていると思い参考になりました。

★意味のないパンフレットを作りすぎるのは考えものですが、そのことは別として、なんとなくやっている。やったのに知っている人は少ない。そんな事例が自治体の事業にはないでしょうか。税収の大幅な増が見込めない中、これからの自治体事業は縮小形にならざるをえません。その状況であえて実施する事業であれば、高い理念を持ち、その事業の必要性の説明責任、というと重々しく感じますが、納得してもらう「説得力」やより効果の高い手法が今以上に必要になる思いました。

写真:視察のさいにいただいたパンフレット。中央が中学生用。小学生用は残部がなくなってしまったとのこと。