学力と図書館、図書館員

12月16日の朝日新聞に「図書館活用で学力アップ 文科省、全国学力調査分析」の記事がありました。全国学力調査を分析したところ、「授業で学校図書館を活用する」取り組みをした学校に学力の向上が見られたとの内容です。図書館の重要性を示す一例になるのかもしません。
しかし、その反面課題もあります。


図書館は、本があればいい。貸し出しができればいい、というこれまでのあり方から脱却し情報拠点になることが求められていると思います。しかし、そのためにどの情報が誰に有益なのか。求められた内容に適した情報をいかに提供できるかが図書館の質を左右することになるはずです。

では、情報を整理するにはどうするかとなれば、それは人にかかっており、図書館員にかかっていることになります。

文部科学省は、「これからの図書館の在り方検討協力者会議を平成16年度から設置。現在も検討会が続けられていますが、これまでに下記のような提言書や報告書が出されています。

・ 図書館職員の研修の充実方策について(平成20年6月)
・これからの図書館像-地域を支える情報拠点をめざして-(平成18年3月)
・地域電子図書館の実現に向けて
・諸外国の公共図書館に関する調査報告書

国としての図書館への考え方を新たにしてきていることが分かりますが、注目したいのが、「図書館職員の研修の充実方策について」の提言書です。

ここには、現状の図書館員の課題が示されていました。

要約すると

・図書館全体の職員数は増加しているものの、専任職員は減少し、兼任職員や非常勤職員の増加が進んでいる。
・その一方で、図書館の情報化や子どもの読書活動への支援、地域住民の学習ニーズの多様化への対応、地域の課題解決や地域振興への支援など様々な課題への対応等が求められている
・業務量が増大しており、研修に参加する時間が確保できなくなっている。とりわけ、専任職員の減少が、多忙感に拍車をかけているという指摘もある。
・研修経費の確保や、研修期間中の業務のフォローが難しくなっている。
・雇用形態にかかわらず基礎的な知識・技術、専門的な知識・技術を向上させることは、図書館サービスの充実に不可欠であり、これらの人材の研修も大きな課題である。
・研修の実施に関する情報が図書館や図書館職員に十分に届いていない。
・研修が体系化されておらず、キャリアに応じた研修参加のモデルが無い。

などを指摘しています。

最近の会議では、大学での司書資格取得についてテーマが移っており、図書館自体をどうするかにはなっていないのですが、それでも、研修の重要性が指摘されているのはたしかでしょう。

図書館が学力に影響することが分かりましたが、その図書館を支えるには、質を高めるには図書館員にかかっているということ。図書館という施設ではなく、人ということではないでしょうか。

前段の話が長くなりましたが、12月15日の市議会鉄道対策・農水省跡地利用特別委員会で武蔵野プレイス(仮称)の工事契約に関する議案があり、賛成多数で可決しました(私も賛成)。
来月には着工となります。その一方でソフトはどうなっているか。新たな大型館となるのに人材をどうするのか、現状では明確ではないため、質問をしたところ、年度末には報告ができそうだ、との答弁がありました。

図書館に注目が集まるかな、人材について市としてももっと注目すべきです。先の「図書館運営委員会報告書」で書いたように市の方向性に期待をしていますが、具体策が早急に求められていると思いました。

学力世界一のフィンランドは「図書館利用率が世界一」と言われるほどです。教育に力を入れたのではなく図書館に力を入れた、との話も聞きます。武蔵野市も同じになってほしい、なるべきと思います。

【参考】
文部科学省 図書館の振興