補助金見直しの行方

武蔵野市では、補助金評価委員会が設置され補助金の見直しが進められています。見直し自体は、当然のことで早急に行う必要があると思いますが、委員会の資料を見たり傍聴したりして思うのは、委員自身に困惑があり行方が見えていないと感じることです。


委員会の設置目的は、『今後厳しさを増すと予想される財政状況の中で、健全な行財政運営を推進するため、各種団体や個人に対して交付する補助金について、その必要性・公平性・有効性などの視点から第三者による評価を行い、見直しを行うことを目的とします』となっています。

武蔵野市では、これまでに事務事業・補助金見直し委員会が設置され、平成19年11月に出された報告書「新たな市政構築に向けて」によって、事務事業と補助金についての提言がまとめられました。

このうち事務事業については『喫緊に見直しを検討すべきと考える53事務事業(平成18年度予算額で約37億円)』が例示され市が検討を進めています(事務事業見直し緊急提言例示53事業についての検討結果をご参照下さい)。

そして、もう一方の補助金については、以下のように記されていました。

『補助金支出の内容、決算額をもとに全体像・実績を整理し、これらを踏まえて、今後の補助金支出の課題解決に向けて、以下のような方向性の取組みを早急に実施することを前提に、実務的な検討に着手することが必要かつ重要であると判断した。

■補助金交付基準の制定
・ 『補助期間』『補助率』『補助対象経費』『評価方法』『実績報告』などについて市としての基本的な考え方や統一的基準を整備すること。

■補助金見直しの本格実施
・ 『補助金見直し基準』を設定して、現在の補助金支出の評価を行うこと。

■補助金支出に関する評価の仕組みの導入
・ 補助金評価の枠組みを早急に検討すること。

■公募型補助金の導入枠拡大
・ 可能な限り「公募型補助金」の枠の拡大を検討すること。

■補助金支出に対するチェック機関として第三者委員会を設置
・ 『補助金支出の状況を少なくとも事後的に審査する第三者機関を設置』し、支出の状況、内容について定期的にチェックする仕組みを導入すること。

このため、この補助金評価委員会が設置されているのだと思います。

前段が長くなりましたが、補助金についての分かりやすく明確な基準を設けることで、廃止するものや有効性を検証できるようにするためにこの委員会が開かれているのだろうということです。

11月13日の委員会では、仕分けするシート案を検討しており、下記のような要素が議論となっていました。

目的妥当性 
・目的が政策体系に結びついているか
・行政や市が関与すべき目的か
・対象と意図を絞り込み、拡充すべきか

有効性
・成果の向上余地があるか
・何が原因で成果が上がっていないのか?
・同じ目的を持つほかの事務事業は?

効率性
・成果を低下させずにコストを削減できるか
・どこにコスト圧迫、増大要因があるのか?

公平性
・一部の受益者に偏っていないか
・負担者の納得を得ているか? 受益者負担の増加、低減

また、補助金自体の性格を援助か協働かに分けることも含めてチャート図にして、仕分けをしようと考えていました。

しかし、補助を受けるほうが、有利なほうを選んでしまうのではないか。さらに、実際の補助金に当てはめてみると難しいことが多いなどの課題が出され、この日には結論となっていませんでした。

委員会の任期は、今年度いっぱい(21年3月まで)。これまでの様子を考えると、もっと苦労がありそうです。

■この日や他に傍聴した議論、資料を見ていると明確に補助金を仕分けし、役目が終わったり目的が明確ではない補助金を見直すことができるのだろうか、と少々不安に思っています。

これは、委員会自体がおかしいというのではなく、この日に実際の補助金で仕分けをしようとしたときに矛盾が出てきたように、武蔵野市の補助金自体がグレーな範囲であることが多く、仕分けができなくなっていると思えるからです。
そもそも何を目的に、どのような姿を描いて支出しているのか。期限はいつまでかが設定されていないことから、仕分けどころか評価さえもし難いため、議論が堂々巡りになっているように思えてなりません。今までの補助金だけではなく事務事業も同じことが言えますが、行政評価手法が確率できていないことが、評価を難しくし見直しが進まないと原因と思うからです。これまでのツケとも言えるかもしれません。

補助金を受けている事業や団体を考えると“情”もでてしまい、そう簡単に見直しができないことは容易に想像できます。担当の職員は自分の仕事ですから自信を持って実施しているのでしょうから、自ら見直すとも良い難いはずです。まずは、法定で決められたもの以外は、個別事情を考えずにすべてゼロに戻した上で新たな基準に合わせて補助金を支出する。その時期は、○年○月から、とスパッと確定すべきではないか、とこの日の委員会を傍聴していて思いました。

【参考】
新たな市政構築に向けて~事務事業・補助金見直し委員会報告書
補助金評価委員会について
行財政改革推進本部の設置について(事務事業・補助金見直しの進め方、事務事業見直し緊急提言例示53事業についての検討結果)