予算節約インセンティブ制度

兵庫県が節約した予算を次年度に使うことができる「予算節約インセンティブ制度」を導入すると報道されています。「予算を使い切らないと翌年度は削られる」という職員の意識改革をすることで、財政再建を行う行革としての導入です。
この方式は武蔵野市でも参考になると思います。


ほとんどの自治体では、単年度予算となっており、年度内に予算を使い切ることが前提。余ってしまった場合、必要がなかった、予算査定が甘かったとされ次年度で減らされてしまうことにつながる、とされています。予算は、権限にもつながるため、減らすことなく、とりあえず使ってしまえ、となり年度末に駆け込み的に使ってしまうことで、税金の無駄遣いにつながると批判されています。

この問題をよく指摘されているのが片山元鳥取県理事です。朝日新聞のインタビューでは『予算は多少余裕をもたせて組みますから、普通にやれば余るのが当然なのに、職員はそれを何としても消化しようとするんです。年度末になると、やたら東京への出張が増えたり、備品を買ったりする。鳥取ではこれをやめさせ、3年ほどかかりましたが、年に174億円ほども生み出すまでになりました。県税と地方交付税の合計額のざっと1割に相当します』

『なぜ予算を使い切るのかと言えば、「余らせると次の年に予算が削られる」から、「使わないともったいない」という職員の意識があるからです。予算を組む財政課の職員も「おれたちが精査して組んだ予算を余らせるなんてけしからん」と思っている。この意識を変えないといけません』とその実態について語っています。

そして、使い切りの意識を変えるには、『使い切りをするような人は、もう評価しない。余らせる人はちゃんと人事で評価するというメッセージを送り続けました』とされていました。
朝日新聞マイタウン大阪 【拝啓、橋下知事 これが行革だ!】片山善博・前鳥取県知事(上)2008年03月27日より)

予算が全額使われず、事業目的を達成できずに市民生活に影響が出るのであれば本末転倒ですが、目的を達成できて予算があまれば、それだけ税金を使うことがなかったのですから、大いに評価すべきでしょう。当たり前のようなことが行われていないことのほうが、実は問題なのかもしれません。

■武蔵野市では、余らしたとしても評価を下げないとしていますので、上記のような例とは違います。

注目したいのは、次年度に繰り越せることだと思います。

武蔵野市では20年度予算から枠配分方式を全面試行しており、経費削減をしていますが、削減した分をどうするのか。たんに削ればいいのではなく、どこ振り向けることができるか、やりたいかを職員が自ら考える制度にしないとインセンティブ=やる気につながらないのでは、と思っているからです。
削るだけでは気が滅入りますし、直接市民と接する部署では、削ることにより影響の出る市民の顔が見えてしまうと躊躇してしまうのでないでしょうか。ここは効率的ではないから削って、その代わりここに予算をかければ、もっと良くなりますよ、と言えることのほうが仕事してもHAPPYになれるのでは、と思います。

山口県周南市でもこのインセンティブ制度を来年度から導入するとしています。内容は、各部課が経費節減を行った場合、その一部を予算に上乗せするというもの。

20年度予算の賛成討論で『何を目指す枠配分なのか。職員体制も含めて、今後、考えていくべきと指摘させていただきます』としましたが、武蔵野市でもインセンティブ制度の導入を早期に行うべきだと思います。

【参考】
神戸新聞 「予算の使い切り」見直し 新制度導入 兵庫県

朝日新聞マイタウン大阪 【拝啓、橋下知事 これが行革だ!】
 片山善博・前鳥取県知事(上)
 片山善博・前鳥取県知事(中)
 片山善博・前鳥取県知事(下)

読売新聞 経費節減なら予算上乗せ…周南市インセンティブ制度導入

川名ゆうじ 20年度予算成立(予算賛成討論)