市民と議員の条例づくり交流会議2008

7月26日と27日に開催された、「市民と議員の条例づくり交流会議2008」(主催:市民と議員の条例づくり交流会議、自治体議会改革フォーラム、法政大学ボアソナード記念現代法研究所)に参加しました。
26日は全体会。アンケートから見える地方議会の現状、議会改革の必要性、実際に改革を進めている議会がどのように変わっているのかなどの報告でした。
一番いらない行政機関が議会ではないか、との問いかけもあり、議会自らどう対応するかが問われているのではないでしょうか。


全体会の前半では、自治体議会改革フォーラムと朝日新聞社による共同調査「全国自治体議会の運営に関する実態調査2008」の概要についての報告がありました。

アンケートは、全国の1,858の自治体議会(都道府県、政令指定都市、特別区、市町村)を対象としたもので、2008年4月末~5月に実施。有効回答は1510議会((回収率81.3%)となっています。

調査結果でいずれサイトで公開される予定ですが、いくつかの興味深い結果が示されていました。

○議会基本条例
 議会や議員のあり方、活動内容を規定するものが議会基本条例ですが、調査結果からは、策定済みが17議会あり、近い将来に制定を予定している議会が4議会。制定に向けて検討中が125議会。。
 三重県議会、栗山町議会が議会基本条例を制定してから約2年で約1割の議会において議会基本条例についての動きがでている。

○自由討議(※)
 議案に対して(首長提出議案)議員同士で議論をしているかのデータ。議事録に残す形で行っている議会は、委員会では全体の7.8%。議事録に残さずに行う議会は11.2%。

※A議員が賛成の理由を述べた場合、その理由について、B議員が異なる意見や質問を行い、A議員が反論するなど議員同士での議論のこと。通常、議案に対しての賛否は一回しか認めない議会が多く、議員同士での議論ができない。議案に対して、賛成か反対かを発言する「討論」ではない。

○反問権(※)
 委員会で、執行部からの反問を会議規則・議会基本条例等の制度として認めている議会は約1%。慣例として認めている議会は3~5%で、大半は町村議会。
 
※執行部側から、議員に逆質問できる権利のこと。多くの議会では、議員から執行部に対して、何がどうなっていると質問し、その質問にたいしてだけ答えるのが審議となっている。この権利があることにより、そういう議員はどうのような方法が良いと考えているのか、データを示して欲しいなど執行部からも質問を行えることになり議論を深めることができると考えられている。

○市民との対話
 2007年1月1日から12月31日の間で、議会として市民と直接対話する機会を設けていた議会は130議会(8.6%)。内訳は、意思決定内容を説明する「議会報告会」を実施した議会が22(1.5%)、議題を設定した意見交換の場を設けている議会が84(5.5%)。テーマを設けず定期的に開催する懇談会を持つ議会が27(1.8%)。

○賛否の公開
 議員個人が議案に対しての賛否について、86.0%の議会が公開してない。全ての議案について議員個人の賛否を公開しているのは3.8%。
(武蔵野市議会は、サイトで公開している)

他にも多くの質問内容があり、朝日新聞では、二回、報道されています。

全体会には朝日新聞の記者が登壇し、地方議会の話題といえば不祥事だけ。地方議会は新聞として興味を持っていない。地方議会はあってもなくても同じが平均的な考え方ではないだろうか。悪い慣習だ。しかし、地方分権が進むことで地方議会の重みが増すことになり、フォローをしたい、としていました。

この後のパネルディスカッションでも、反問権や議会が議案をどう判断したのかを市民に伝える報告会は、やって当たり前のことで、やっていなかったのか、と逆に言われてしまうのが今の議会ではないか。
議会が通年開いていないことも驚くに違いない、との指摘も出されていました。

これらの指摘に対して、議会基本条例を制定したばかり長谷川敏郎島根県邑南町議会条例草案委員会委員からは、
「町が合併するまでは、隣でも同じこともやっていると信用していたが、実際には違っていた。第三セクの赤字を隠していた町もあったが、その町出身の議員は知らなかった。行政サービスも違う。それぞれの町の議会は何をしていたか、との議論になった。
また、住民からは議員は要らない、減らせの声が上ってもいた。議員は住民の代表というが、代表とどこに書いてあるのか。どのために、議会、議員が何をすべきかを明確にする議会基本条例を制定した」
 との報告もありました。

また、議会基本条例の先駆的存在の三重県議会からは、三谷哲央三重県議会元二元代表制における議会の在り方検討会座長から
「議会のミッションが明確にされていないから議会基本条例が必要と制定をした。議員人が徹底討議してひとつにまとまれば、県民の意思であり首長に優位に立てるとの認識している。会期を延ばし(通年議会)としたことで、日程に余裕ができ、参考人を呼ぶこと(0人→13人)ができるようになった。自由討議はうまくいっているとは言えないが、公聴会をこれからは実施していきたい」
と議会基本条例が議会を変えている実例報告もありました。

議会基本条例が、議会改革を進めるためのメルクマールであることは確かなようです。
議会が議論の場とは言いますが、実際は執行部への質問会じゃないか、との批判もあります。本当の議論の場に変えていくかどうか、必要かどうかも含めて、議会が問われているのではないでしょうか。

■市民と議員の条例づくり交流会議2008には、主催者側として携わっていましたので、すべての議論を聞けませんでした。あくまでも抜粋とお考え下さい。

当日の模様は、伊勢新聞でも報道されています。

公聴会開催に取り組む 東京で市民と議員の交流会議 三谷県議が考え示す

朝日新聞の記事は下記
朝日新聞2008年6月1日地域総合面 列島発!全国議会アンケート(上)縮む議会 改革の芽(PDFファイル)

朝日新聞2008年6月8日地域総合面 列島発!全国議会アンケート(下)(PDFファイル) 当たり前の議会 道半ば