地域情報ポータルサイトと協働

74adc6f7.JPG自治体総合フェア2008で興味深かった展示には、地域ポータルサイトの構築モデルがありました。
行政が作ってしまうと、行政目線で行政の都合だけを配信するおもしろくないサイトになりがちですから、本来の利用者である市民が自分たちの欲しい情報も載せられるようなサイトを作るべきだと思います。
しかし、そうは簡単に作れないのが現実ではないでしょうか。
そこで、提案されていたのが、民間会社がその支援をするモデルです。


提案されていたのは、民間会社が行政からサイトの構築、サーバー管理を請け負うだけではなく、コンテンツの構成、収集に加え、市民記者の募集や支援も行い、頻繁に更新も行っていうというモデルです。

さらに、民間会社としての特徴と思えたのが、広告を得ることを当初から想定していることでした。
民間のサイトでは広告がなければ、成り立たないこともあり、広告営業は生命線と言えるかもしれません。そのため、どうすれば広告が集まるのか、集められるのかのノウハウもあるということなのだと思います。

その広告収入を、事業モデルとして当初から想定しているが特徴だと思います。

あるモデルとして次のような提案もありました。

・1年目は800万円で受託。
 これには、サイト構築、サーバー管理、コンテンツ収集、市民記者の育成などサイトのスタートに含まれる事業費として。

・2年目は、400万円の受託。
 コンテンツはできあがっていますので、微調整や更新作業、1年目の課題を改善することなどの費用として。

・3年目以降は、応相談価格。
 1,2年目の活動から広告収入が見込めるために、基本的にはサイト運営の受託費はなし。行政情報の提供など行政は、広告主としての費用を払う。

との内容です。

もちろん、費用は“例えば”のケースであり、広告が見込める地域でないと成り立ちません。コンテンツをどこまで広めるのか。市民記者をどこまで育てるのか(市民記者が編集やサイト運営まで行うことを想定するかなど)で、変わるはずです。

しかし、毎年の確実な収入となる受託費目当てではないこと。自ら広告収入を得ることで一定の自立を目指していること。市民記者を想定していることなど、たんなる民間サイトでもないことも特徴と言えるのではないでしょうか。

この事業は、官民の協働モデルでもある、と提案されていました。
すでに、

川崎市宮前区の「宮前ぽーたろう
兵庫県伊丹市の「いたみん

が先行モデルとして紹介もされていました。
民間活用の新たな手法とも言えるかもしれない提案です。

■協働というと、市民だけが相手と思いこんではいないでしょうか。
民間との協働も十分可能だという例ではないかと思いました。

市民には市民の得意分野があり、民間には民間の得意分野があります。
当然ながら行政にもあり、行政でなければできないこともたくさんあるはずです。

民間が得意なら、任せてしまうことが必要だと思います。
みちろん、丸投げではなく市民との協働手法も含めてです。

協働というと、市民相手でも民間相手でも、行政コストを抑えるために使うことになりがちです。
それぞれの得意分野を活用していくことが、本来の協働、と考えると、このような事業モデルもあるな、と思えた提案でした。

市民が構築していく。あるいは、NPOが受託することが、地域情報ポータルの理想かもしれません。
しかし、そう簡単には市民は集まりませんし、NPOも存在しているとは限りません。行政が支援できるとも限りません。

となると、手をこまねいているだけで、行政主導の行政からのお知らせだけが並ぶおもしろくないサイトのまま、となる可能性が高くなります。

それでは、市民のためにはならないはずです。

情報は、並べるだけでなく、次のステップへの起爆剤です(地域経済、市民記者同士のコミュニティ、行政への逆提案など)。
作ればいいのではなく、使われるサイトにしていく。そして、その次への戦略も考えていく。お金を出せばいいのではないのです。

サイトだけではありませんが、行政の発想の転換も必要ではないでしょうか。