議会のフェアプレー

7月9日に開かれた「三多摩・議会改革フォーラム」(主催:多摩住民自治研究所)に参加してきました。
パネラーとして報告に立ったのは、多摩市議会と小金井市議会。どちらも超党派で議会改革を進めたのだそうです。
超党派で進めるコツについては、フェアープレーの精神だ、と報告者は話されていました。


報告者は、多摩市議会副議長で議会改革特別委員会委員長の安藤邦彦さんと小金井市議副議長の小山美香さん。

安藤さんからは、夕張市や新銀行東京のことは議会がちゃんとチェックしていれば、こんなことにはなっていなかったはず。議会として最低限の責任を果たすべきでは。

市長側がPDCAサイクルを回しても、職員のなかでのチェック。外部評価をしても、市がお金をだして学者などにしてもらっているのであれば、力があるのか。対抗力があるのだろうか。

それならば、議員こそが市民の代表であり対抗力も持っている。議会は議決権を持っているから担うべきだろう。
しかし、強い議会になることが必要だが、責任が重くなることにもなる。
数合わせでできてしまうことも議会。将来的見通し、財政も考えなくてできてしまう。
それでは、市民のための議会にならない。

では、どうするか。
フェアプレーの精神が必要になる。数あわせではなく、少数の意見も大切に合意できるようにしていくこと。そのためには、党利党略、票目当て、パフォーマンス目的もなくしていく必要がある、としていました。

また、多摩市議会の場合は、自治基本条例も大きな役目を持っているのだそうです。

多摩市の自治基本例には、議会は市民にとって最適な意思決定機関である、と書かれている。
この条例も議会がまとめ上げたもの。

元市長は市民と政策を作るとしてきたため、対抗として議会も勉強を続け、市民グループとも一緒にやってきた。

自治基本条例は、市長提出議案として議会に出されたが、市民の考えと行政とで隔たりがあった。
そのため、議会が調整役となり12回の審議を行い参考人も呼んだ。その結果、21項目の修正を行った。いわば、議会案といえるかもしれない。

出来上がってみると、市民、行政、議会で作ったこと。これこそ自治だ。
できあがったのは、超党派の勉強会をしてきた積み重ねがあったからだと話されていました。

これらの経緯からは現在では、議会基本条例を制定を目指す議会改革特別委員会を設置、市民へのアンケートや研究者を呼び議会改革を進めているのだでそうです。

小金井市議会の議会改革は、長年の渡って行われてきていますが、そのきっかけは、市議会をCATVで放送を進めて欲しいとの陳情だったのだそうです。
日曜議会を含めて先進地を視察していったところ、今の地方分権の流れにも対応できる議会改革をするべきとの意見も多くなったことから始まった、と話されていました。

改革項目は、67もあったそうですが、その中に興味深い項目がありました。
それは、議会ハンドブックを作ったということです。
議会に関心を持ってもらうこと、傍聴を呼びかけることを目的にしたもので、議会で何を審議しているのか、議会の進行方法や議会養護などを理解しやすいようにまとめたものでした。

言われてみると、議会自ら伝えようとする努力も必要かもしれません。

■どちらの議会も超党派で、たんなる数あわせではなく合意を持って進めていこうとの姿勢には、感銘を受けました。
議会には、多数の議員、多数の意見があるのが前提ですから、その違う意見をどうまとめていくのかが議会に問われているのだと思います。

数を集めればいい、主張だけすればいい、では議会自らの存在意義をなくしてしまうのではないでしょうか。

フォーラムの最後に多摩住民自治研究所の池上理事長が話されていた言葉が印象的でした。

議会改革の目的は何か 市民のために何ができるかを考えることだ。
憲法上、議会には、会派制度も与野党もない。
憲法で示されている公務員とは、選挙で選ばれた人。主権者から選ばれているから決定ができる。役所職員は、“公務員”の補助職員だ。
だから、“公務員”である議員は、自らの支持者のために働くのであれば憲法違反になる。
公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないからだ。

首長も“公務員”だが、人数はひとりで権限を持っている。
二元代表制の議会は、多数の意見を持ており、合議制だ。
どちらが民主主義なのかを考えれば、議会でしかない。
そのことに気が付いた議会が、改革を始めている…

その後にあった、懇親会では“憲法”を意識して議員活動をしているのか? と池上さんには問いつめられてしまいましたが…

安藤さんの言葉も印象的でした。

議会が何もしないで、喜ぶのは役人。
選挙で選ばれていない人間が決めてしまうことはだめなこと。
突破しないと夕張の可能性がある。

さて、地方議会はどうなっていくのでしょうか。