武蔵野東小学校の学童クラブ

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武蔵野市内にある私立武蔵野東小学校と東幼稚園(学校法人武蔵野東学園)を視察してきました。今回はその報告2。学童クラブについて、です。


武蔵野市学童クラブ条例には「第4条 学童クラブに入会することができる児童は、市立小学校に就学中の~」とあり、市立学校の児童に入所を限っています。
このため、私立小学校や都立養護学校の児童は入所することができません。

このことは、議会に陳情(※)が出されるなど、市の課題ともなっています

学童クラブは、児童福祉法に基づく事業ですから、市の都合で考えるのではなく、子どもの立場から考えるべきであり、市立小学校の子どもだけに入所を限定する合理的な理由はない、と私は思っています。

武蔵野市では、全市立小学校ごとに学童クラブを設置しているため、開所時間が学校行事と関係していることなど、私立の児童には適していないとしていますが、それは、可能範囲で対応し、それで良いのかどうかは、子どもと保護者が判断すべきで市が決めることではないはずです。

同じ公立学校である都立養護学校の児童が入所できないことについても同じです。
障がいの程度は児童それぞれですから、市立の児童が入れないケースのあるでしょうし、都立養護の児童が入れるケースもあるはずです。
入り口でシャットアウトするのではなく、個々のケースを判断して、子どものために入所することが良いことなのか、次善策があるかなどを保護者も交えて判断すべきではないでしょうか。

障がいを持った児童が入所申請をすると、程度によっては審査会を開くのですから、同じことをすれば良いだけのことです。

では、実際に市立という条件をなくすことでの他の課題は何が考えられるでしょうか。

一つ目には、入所可能数でしょう。
他自治体では待機時が問題となっていますから、条件を広げることで待機時が増えてしまうのでは、別の問題となってしまいます。

しかし、市内12クラブの定員数の合計は630名。これに対して平均在籍数は553.9名(18年度事務事業報告書より)ですから、定員には余裕がありますし、定員の1割増しまでは入所可能としていますから、十分対応が可能と考えられます。

二つ目に、数的には可能であっても、自閉症の子どもの教育に評価の高い東学園が市内にありますから、ここの児童が入所を希望するとなると対応できるのだろうか、との課題もあると思います。

現在の学童クラブでも障害のある児童が入所すると臨時職員(アルバイト)を増やすことで対応していますから、専門的知識が必要となるケースに臨時職員だけでどれだけ対応できるのかは、正直言って、現状でも疑問があるからです。

学童クラブは、子どもと保護者が地域とつながることで本来は成り立つものです。地域とのつながりを考えれば、子どもが住んでいる地域の学童に行くことが基本だと私は思っています。

しかし、対応が難しいのであれば、次善策として私立学校内に学童クラブを作ることがあってもいいのでは、と思っていました。

しかし、です。
訪れてみて、これも初めて知ったことですが、すでに学童クラブを開設していたのです。

現在の校舎を二年前に改築してますが、そのさいに旧校舎の教室を使って「Eパル」という東小学校版放課後クラブを始めていました。
自閉症の子どもも対象となっています。

教室を活用していることで、生活の場との雰囲気はなく、学校の中との雰囲気が強いと思いましたが、放課後の居場所に変わりはなく、何よりも学童は施設で決まるのではなく、指導員というソフトで事業内容、質は決まると思っていますので問題にするほどではないと思いました。

指導員の体制は、小学校の教師が中心になっているのだそうです。自閉症の子どもは、心を許した人(先生)がいないと生活が成り立たないことが前提にあるのだそうで、逆に市立小学校の学童クラブに入所することは、このことを考えるとあまりないのでは、と思えます。

武蔵野市には、民間学童への補助金規定があります。市内在住の児童が10人以上いることが条件になっていますが、この条件をクリアすれば、補助が可能となります。

Eパルについては、武蔵野市と武蔵野東小学校とでは、特に協議はしていないようです。補助金や学童クラブというだけではなく、互いが持っている情報を共有することや意見交換だけでもメリットが多いはずです。

武蔵野市の認可保育園では、障がいを持った子どもとの混合保育を実施しています。
その保育園の子どもを見ていて思うのが、障がいを持った子どもとのつきあい方がうまいことです。
保育士の指導があることも確かですが、この子は、こういう特徴があるのだから、こうやって一緒に過ごせばいいと気負いもなく特別視もせずに毎日を過ごしていたように思えていました。
一緒に過ごすことで、障がいを持った子どもには発達の刺激になることがありますし、健常児にとっても他人を考える良いきっかけになっていたと思っています。
東学園の混合教育も同じ面があるのではと思います。

公教育でもノーマライゼーションが必要であり、今後より求められてくると思いますが、そのノウハウや情報を公立学校だけで対応しきれるのでしょうか。
同じ市内の小学校、幼稚園、保育園。民間とか公立のどちらが良いとか悪いという前に、子どものために連携していくこがまず先ではないか、とも思いました。

行政と民間というと経費削減で民間を行政が使うとのケースが多いように思いますが、互いの長所を生かしあうことのほうが必要では、と思いました。

写真はEパル

※「障害を持つ子どもたちの学童クラブ入所資格の緩和に関する陳情」
 2004年12月議会で委員会付託。05年2月から継続審議となり05年12月議会で全会一致による意見付き採択(可決)となった。
意見は「私立小学校等の児童の放課後対策については、地域子ども館の利用を視野に入れながら充実を図られたい。また、障害児の学童クラブ入所延長は、低学年児童との体力差や心理面にも十分に配慮するなど、学童クラブにおける集団生活に配慮した上で慎重に取り扱われたい」
この結果も受けて、現在では小学校4年生まで学童クラブでは障害児の入所が可能となっている(3年からの継続に限る)。