分権改革と地方議会のあり方

0ac10c72.JPG7月6日に「第二期分権改革と地方議会のあり方」とのテーマで、増田寛也総務大臣の講演を伺いました。
これまでに手が付けられなかったことも含め地方分権がさらに進むこと。そして、地方分権が進めば進むほど、地方議会の役目が重要になり、責任も重くなる、との内容でした。


この講演は、私が運営委員となっているローカルマニフェスト推進議員連盟の研修会で行われたもの。北川正恭マニフェスト研究所所長(早稲田大学教授。元三重県知事)の講演も一緒におこなれました。

増田大臣の話は、以前、お伝えした内閣府地方分権改革推進委員会による第一次勧告が元となっていました。

主な内容は、国と地方の仕事を仕分けすること。都道府県で完結している河川や国道を地方へ移すなど、これまで難しいとして手をつけられなかったことに手をつけて、国と地方の役割分担を示した。

補助対象財産の自由度を増すこと。例えば、小学校の統合がされて廃校となった場合、転用すると補助金を返さないとならないため、目的外使用ができなかった。建設後、10年建てば自由に使えるように弾力化する。 

県だけでなく、主に市への分権を進める。359事務を市町村に移す。

福祉などの基準も地方で考えるようにする。例えば、公立保育園への補助金は一般財源化しているのに、施設基準は国が決めている。財源を移したのだから、権限を地方に移し、地方が使いやすいようにしていく。これは同時に地方の責任で行うことだ。

また、国の金は人件費に使えなかった。今後は地方で考えるべきだ。中央の発想には限界がある。地方の元気再生は地方のアイデアで担うことになる。

これらの改革について、都市部の自治体では、財源が少なくなったとのアレルギーもあり、警戒心もある。国にだまされたとの思いがあると思う。

しかし、国が先導することは限界に来ており、住民に近い基礎自治体が政策を担う地方の時代になるのは間違いがない。三位一体改革には、間違いもあったが改革をさらに進めていく、と中央だけではなく、地方自治体(元岩手県知事)としての見方も加えて解説をされていました。

また、分権の背景には、参議院での敗北があり、地方に目が向いていないのではないか。例えば、自治体間の財源調整機能(交付税の調整機能)が損なわれ財政格差が開いているのではないかなどの指摘もあり、地方対策として取り上げられているものもあるようです。

今後、8月には、中間報告を出し、今年に秋に第二次勧告が行われ、国の出先機関の廃止を含めた見直しが行わ、分権推進計画を作り、来年夏ぐらいにまとめて早ければ来年の秋の臨時国会に法案を出したい、増田大臣は話されていました。

そして、これらが進めば、地方で地域づくりをどうするか。地方で責任をもって考えることになる。責任を持って地域づくりを地方自ら行うにはどうしたらいいか。
それは、議会で執行部と議論をしていくことに尽きる。議会での責任ある政策議論が必要になる、と話されていました。

■地方分権は、地方議会の役目が重要になり、責任も重くなるということです。リップサービスとは思いますが、議会改革の先頭に立ってほしい、と大臣は会場にエールを送っていました。

この話の前に、分権を進めていくときに、今の地方議会でいいのか、と聞かれることは事実だ。改革の思いを述べても、できるわけはない、との声も聞く、との話もされていましたが、そのような声は私も多く聞きます。

分権をしても大丈夫、任せて欲しいと胸を張れる地方議会であれば良いのですが、果たしてどうなのでしょうか。

例えば、保育園については、この分権の流れから考えれば、地方自治体で設置基準を条例で作れることになるはずです。認可保育園のひとりあたりの最低面積や保育士の配置基準を自治体ごとに決められることになります。
地方独自に地域実情にあわせた内容にできるとのメリットもありますが、反面、基準が下がる危険性もあるのです。

それこそ、議会での責任ある政策議論が必要になるのでしょう。たんに保育園の金が多いとか少ないと言っている場合ではなく、制度や費用だけにとらわれない子ども施策として何が重要なのか、優先順位をどこに置くのかの政策議論が地方自治体と議会に求められてくるのだと思います。

さて、どうなることか。、

この日には、税の負担については法人税で行うと景気で左右されるので、左右されなくするのは税改正の方向でもある。個人住民税でいいのか、地方消費税もあるなど多角的に検討されるはずだ、との話もありました。
費税増税? とも受け取れましたが、時間の都合で質問時間がなかったため真意は分かりませんでした。

【参考】
地方分権改革勧告と武蔵野市の子ども施策